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流経大柏にとって「大きかった」MF小林恭太の存在。後半からの出場で走り回り、同点ヘッドとPK誘発

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後半9分、流通経済大柏高MF小林恭太(8番)が同点ゴール

[10.24 選手権千葉県予選2回戦 流通経済大柏高 2-1 日体大柏高]

「絶対に流れ変えてやろう」の思いを持ってピッチに立ったMF小林恭太(3年=クラブ・ドラゴンズ柏出身)が、流れを変えた。0-1で前半を終えた流通経済大柏高は、後半開始から小林を投入。今季プレミアリーグの全13試合中12試合に先発しているMFはチームにとって欠かせない存在の一人だが、この日はベンチスタートだった。

 この日と同じく交代出場したプレミアリーグ・大宮U18戦(6日)は不満のプレー。「全然ダメで悔しい思いをしました。今日払拭してやろうという思いでやっていたので、エンジン全開でやっていました」。その小林は後半9分、MF堀川大夢(2年)の右クロスに対し、ファーで待つことを意識してヘディング弾。さらに17分には、相手の甘いブロックを掻い潜り、出し抜く形でルーズボールを奪い取ってPKを獲得した。

「(PK獲得のシーンは)本当は(前線の)清水(蒼太朗)が粘ってくれるかなと思っていたんですけれども、ボールが流れて。でも、自分が追いつきそうだった。迷いなく行くと、思い切りの良さに繋がっていくので、あそこは思い切り良く行ってPKに繋げることができて良かった」。エンジン全開で走り回った小林が2得点をもたらした。

 MF渋谷諒太主将(3年)は逆転勝ちした試合後、「小林の存在が大きかった。最近、小林の調子もあまり良くなくて、スタートじゃなくて途中からというのがあったんですけれども、やっぱりアイツが入ってきたことでどんどんゴールに走ってくれるので、やりやすかったですね」と感謝。抜け出す動きを繰り返して相手の守りを混乱させ、守備面でも奮闘していた小林に対しては、榎本雅大監督も「今日は良くやったなと思っています」と高評価していた。

 小林は今月10日のプレミアリーグ・FC東京U-18戦で2ゴール。以前は守備面での貢献度高い選手の印象だったが、ここへ来て攻撃力を発揮してきている。「シーズン初め、自分は守備で求められることが多くて、もちろん、ゴールも狙っていたんですけれども決められなくて自分も悔しい思いをしていたんですけれども、点を決めることが一番気持ち良いことだし、チームに一番良いことがゴールなので最近は意識しています」という。この日同じく交代出場だったMF西岡亮哉(3年)と自主練でシュート練習を行ってきたことも、得点力向上の要因となっているようだ。

「選手権は俺が、俺がという気持ちで、自分がチームを勝たせるくらいの気持ちでやっていきたいので、もっと点を取ることにもこだわっていきたいと思っています」。ただし、前への意識が高まりすぎたことでミスが増え、求められている守備がやや疎かになっていたことを本人は反省。偏り過ぎることなく、この日のように攻守両面でチームにプラスアルファをもたらし、ゴールも決めて白星へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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