[10.24 選手権千葉県予選2回戦 流通経済大柏高 2-1 日体大柏高]

　流通経済大柏高のCB田口空我(3年=ジェファ・FC出身)が、無失点・被シュートゼロを誓った。この日の前半は圧倒的な高さのヘッドを見せた一方、「自分のところで跳ね返せなかったのと自分が指示で仲間を動かせなかったなという感じでした」。セカンドボールを拾われて攻められ、一瞬寄せが甘くなった隙を突かれてシュートを許し、先制点を奪われてしまった。

「相手が蹴ってきて、それを跳ね返せない時間が続いて(ボランチの)渋谷(諒太)とまっちゃん(松本洋汰)にも負担を掛けてしまって、そこから失点もしてしまったので、まだまだ課題かなと思います」と首を振る。後半に関しては渋谷の声がけを受けながら立て直し、終了間際の1本を除いてシュートまで持ち込ませることなく無失点。守備を安定させ、逆転勝ちに貢献したが、DFリーダーは満足していなかった。

「初戦失点してしまったんですけれども、これからシュートゼロ・無失点というのを目標にして、自分が(ゴールを)決めてチームを勝たせるくらいの勢いでやっていきたい。前は(ディフェンス面含めて)頑張ってくれている。後ろが失点してしまうと勝てない。自分たちが集中して気合入れていくしかないと思っています」

　スピード、強烈なヘッドを武器に対人の強さを発揮する田口は今年、チームから認められる存在に。この日は正確な縦パスをつけて、チャンスの起点にもなっていた。コーチ陣に加えてMF渋谷諒太主将(3年)やエースFW川畑優翔(3年)の助言にも耳を傾け、自分のプレーに反映。「シーズン通して自分が守ってやるという気持ちは上がってきていると思っています」という。

　また、Jリーグ2クラブの練習に参加したことが、コーチングに良い影響を与えているようだ。「プロの方々は、自分たちと声の掛け方の質が全然違っているなと思っていて、(自分も)少しは指示できるんですけれども、相方やってくれたCBの人が自分にガンガン声を掛けてくれて、『出るな・出る』とかまで声を掛けてくれるので動きやすかったです」。それをチームに持ち帰り、自分から発信して下級生のCBたちに言葉がけしようとしている。この日、「もっと周りに声を掛けられた部分があったと思う」という田口は、その点も改善することを誓っていた。

　JクラブにはSBとして練習参加し、スピードを活かしたプレーや1対1に手応えも感じたが、高校では1年時にSBとして起用されていたことを除くと経験が少ない。4年間磨き上げて大学サッカー界を代表するSBとしてプロ入りすることを目指すのか、またCBとして勝負したい気持ちもあるだけに、進路については熟考して結論を出すようだ。まずは選手権に集中。初戦の失点を反省して次の試合へ向かい、無失点・被シュートゼロを実現して白星を勝ち取る。

(取材・文　吉田太郎)

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