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パリ五輪まで2年半…大岩新体制が発足「勝ちにこだわるところを前面に」

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 パリ五輪を目指すU-21日本代表の指揮官に就任した大岩剛監督が17日、オンラインで報道陣の取材に応じ、「私が強みとしている目の前の試合に勝ち切るところ、勝ちにこだわるところを前面に出しながら、ファン・サポーターの方に楽しんでもらえる、応援してもらえるチームを作りたい」と意気込みを語った。

 日本サッカー協会(JFA)は16日の理事会で、U-21日本代表の監督に大岩氏を抜擢することを承認。2024年夏のパリ五輪に向けた新体制が発足した。東京五輪延期の影響により、与えられた期間はわずか2年半。またコロナ禍で国際試合を経験できなかった選手がコアメンバーを占めることが想定されるため、普段の大会以上に難しい仕事となる。

 それでも大岩監督は「2年半の間に強いチームを作り、パリ五輪出場、そして上位、優勝を目指すグループを作っていきたい」ときっぱり。「日本代表としての試合は1試合たりとも負けてはいけない。負けていい試合はないと思っている。われわれ日本代表として常に少ない試合数の中で、少しでも積み上げて前進していかなければならない」とメダル奪還に向けて力を込めた。

 大岩監督は2017年から19年にかけて鹿島アントラーズの監督を経験。3年連続でAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得し、18年にはクラブ史上初のACL制覇に導いた実績を持つ。JFAの反町康治監督は16日の取材対応で、大岩監督の実績について「アジアの戦いを熟知しているのは判断の要素」と高評価を示していた。

 大岩監督自身も、そうした実績こそが自らの強みだと捉えているようだ。

「私自身に期待されているところは経験であったり、鹿島アントラーズを指揮していた頃のアジアでの戦い、クラブW杯で中南米・ヨーロッパなどいろんな国々と戦った経験を期待されて指名されたと思っている。そういった経験したものをしっかり活かしたい。日本代表の対戦相手は当然ながら外国人。その中でJリーグでやっていること、アジア、ヨーロッパの選手とやるときの違いはしっかりと認識しているつもりでいる」。

 さらに代表選考についても言及し、「代表監督はセレクターと呼ばれるくらい、選ぶことが仕事だと感じている」と指摘。「海外の選手のリサーチもしているし、幼少期から海外でやっている選手のリサーチも進めている。文化が違う中で育っていることも当然ながら加味しないといけないが、日本人は日本人としての誇り、自覚は日本代表の強みだと思うので、そういうところも持ちながらグループとしてしっかりとつくりあげていく。いろんな人の力も借りながらやっていきたい」と展望を語った。

 森保一監督が率いた東京五輪はベスト4。準決勝以降はスペイン、メキシコといった世界の強豪に敗れ、最後の最後でメダルを逃した。

「われわれが成長すると同時に他国もそれを凌ぐ勢いで成長している」。そう語った大岩監督は世界との差について「試合を行ったり、対戦をして体感しないとわからないことだと感じている。いろんな知識をインプットすることも重要だが、それをアウトプットしながら、選手にしっかりと体感してもらい、成長に結びつけていく、強さに結びつけていく作業をやっていきたい」と先を見据え、「一つの試合、一つのトレーニングを十分に有効に使いながらやっていきたい」と決意を語った。

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