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中国戦は体調不良でホテル待機…浅野拓磨「すごく悔しい気持ち」バネにサウジ戦へ

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再合流初日の練習後、連続ダッシュで身体に刺激を入れていたFW浅野拓磨(ボーフム)

 日本代表FW浅野拓磨(ボーフム)が28日、カタールW杯アジア最終予選・サウジアラビア(2月1日・埼玉)に向けたトレーニングに合流した。前日27日の中国戦を体調不良のため欠場したが、再検査で陰性が確認されて無事復帰。初日から居残りでダッシュを重ねる元気な姿を見せ、29日午前のオンライン報道対応でも「もう大丈夫」と笑顔で話した。

 浅野は中国戦当日朝の27日、チーム関係者に体調不良を申告。「一番の違和感は鼻水がすごいダラダラで、夜中に起きた時にもそれがあったので風邪を引いたのかなと思っていた」。チーム全体の新型コロナウイルス検査では、高いCt値が出たため陰性確認が取れず、試合の欠場が決定。ホテルで待機をしながらテレビで試合を見ることになった。

「リアルタイムで実況がある中で代表戦を見るのは久しぶりな感覚というか、新鮮な気持ちだった。実況さんが言っていること、見ている皆さんが感じることもあると思うけど、PKで1点を取ってから、日本が常に優位に進められていた。たしかに得点力不足と言われていることは間違いないし、向上していかないといけないけど、みんな勝ち点3を取るために何が必要かを冷静に考えていた。試合を見ていてもピッチの中で焦っている様子は感じられなかったし、自分たちのペースでもう1点取れればいい、焦る必要なく、自分たちのプレーを100%やれればいいなと思っていたし、それをやれていた。もっとゴールに向かっていく姿勢、オプションを増やしたり、クオリティーをあげていくことは必要だけど、落ち着いて戦えていたと思う」

 中国戦をそう振り返った浅野は28日午前に再検査を受け、無事に陰性が確認された。新型コロナウイルスの検査では過去の感染歴によってCt値が高く出ることがあり、昨年12月に感染していた(当時は匿名発表)浅野にもその影響があった様子。体調も回復したため、28日のトレーニングから復帰を果たした。

 気を取り直して迎えるサウジアラビア戦。「まずはチームの輪を乱す形になってしまった形は申し訳ないと思うし、ましてや試合当日にそういうことになってしまって申し訳ない。自分自身に悔しさを感じた」という浅野は「前の試合に出られなかったのはすごく悔しい気持ちが募っている。前の試合のぶんも含めていい準備をして、チャンスがきたら自分のゴールで日本の勝利に導く強い気持ちがある」と気合を入れ、大一番に臨んでいくつもりだ。

 日本は昨年10月、サウジアラビアに0-1で敗戦。浅野は出場停止のMF伊東純也(ゲンク)に代わって先発出場を果たすも、後半14分に途中交代となっていた。日本はその敗戦以降、システムを4-3-3に変更。サウジアラビア戦でも新システムでリベンジを期することになる見込みだが、浅野はホームで戦えるメリットを感じているようだ。

 浅野は「前回のサウジ戦とは比べようがない。戦術どうこうより環境の厳しさ、やろうと思ってもピッチで表現する難しさを感じていた」と回顧しつつ、「気温と湿度と普段やっている環境とは真逆で、3日間くらい準備した上だったけど、準備期間よりさらに試合ではキツく感じた。プレーしているみんなが予想を遥かに超えたキツさを感じていて、そこが敗因になったと思う」と明かした。

 だからこそ「相手の能力には変わりはないけど、ホームで戦える環境、前回とは全く違った天候で、違った試合になると思う」ときっぱり。「前回の試合からこうしていこうというより、チームでイメージしていくことが大事。相手の強みはサイドが前にガンガン出てくるところ。その背後をサイドや前線が突いていくことによってチャンスが生まれると思うので、攻撃陣の一人として意識したい」と意気込みを語った。

(取材・文 竹内達也)
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