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充実の動きも、到達度は「60%」ほど。U-17高校選抜MF徳永涼は自身に厳しい目を向け、成長求める

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U-17日本高校選抜合宿で存在感ある動きを続けているMF徳永涼(前橋育英高)

[2.19 練習試合 U-17日本高校選抜 4-6 拓殖大]

 U-17日本高校選抜MF徳永涼(前橋育英高2年=柏レイソルU-15出身)は、関東1部の強豪・拓殖大相手に存在感ある動き。前日の駒澤大戦でも判断の速さと精度、際の攻防での強さを見せていたことが印象的だった。

 前からボールを奪いに来る大学生をMF廣井蘭人(帝京長岡高2年)らとの細かなパス交換や的確な身のこなしで攻略。ボールを多彩なアタッカー陣へ繋ぎ、ディフェンス面でも接触プレーを怖れることなく、アプローチ鋭く、深く行ってマイボールに変えている。

 才能集うU-17日本高校選抜の中でも目立つほど充実のプレーを続けているが、求める基準はまだ先。できていることを「このレベルでできていることは自信になりますし、継続したい」と自己評価する一方、改善点を挙げることも忘れなかった。

「判断スピードのところだったり、自分がそこでドリブルする必要があったのかとか、細かいレベルでこだわって行った時にどうしても判断が遅いシーンもあったし、守備のところでも取りに行って自分の埋めるべきところを空けてしまってというシーンもあったと思うので、そういうところは改善しなければいけない」。コンマ何秒、数センチまでこだわってより、質を高めていく。

 目指しているプレーへの到達度は、今回のパフォーマンスでも60~65パーセントほどなのだという。得点を取る・絡むことに課題を持ち、守備から攻撃に切り替わった際に狙いを持って走っているが、2試合でシュートゼロ。また、セットプレーの失点が増えている中で「最後の最後で(自分が)チームのためにできていないところが失点の原因に繋がっているというのは少なからずある」と分析する。

 チームリーダーの一人は敗因の矛先を自分に向けていたことも印象的だった。1本目は主導権を握って試合を進め、3-2で終えたが、2本目はなかなかペースを掴めず、我慢の展開に。そして、終了間際に怪我人が出て中断すると、集中力を維持できずに連続失点を喫し、逆転負けした。

「1本目から2本目のメンバーに代わった時に(継続して出場した)自分が流れを伝えなければいけなかったんですけれども、前でタメが作れなかったり、自分のところでもボールを要求できなくて相手ペースで終わってしまった。自分がチームを変えるというつもりで、メンバーが代わった時に自分がどういう方向に持っていけるかは自分の課題だと思う。その結果が負けに繋がったと思います」。良かったことに満足することなく、敗れた理由を考え、また自分の力に変える。

 今回のU-17高校選抜の活動はレベルの仲間と、レベルの高い大学生に挑戦。表現しているサッカーを含めて、「凄く楽しいところに持っていくことができていると思います」と微笑む。前橋育英にとって特別な番号「14」を2年生から背負う注目ボランチは、世代別日本代表に入ることが近い目標。楽しむことも続けて、より成長して、U-17高校選抜の合宿を終える。

(取材・文 吉田太郎)
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