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勝ち越しゴールで「吹っ切れた」。U-19代表候補の190cmCB石井大生が攻守で躍動

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2本目15分、U-19日本代表候補CB石井大生(湘南)が右足で勝ち越しゴール

[3.2 練習試合 U-19日本代表候補 5-1 桐蔭横浜大 高円宮記念JFA夢フィールド]

 190cm、80kgの大型レフティーが自らのゴールで「吹っ切れた」。1-1の2本目15分、U-19日本代表候補は、敵陣中央右寄りの位置でFKを獲得。これを左SB松田隼風(水戸)が左足で入れると、ファーサイドのFW内藤大和(甲府U-18)が頭で折り返す。これにCB土屋巧(柏)が飛び込み、最後はCB石井大生(湘南)が右足シュートをねじ込んだ。

 この日、ピッチ脇の船越優蔵コーチから石井に対し、セットプレーでゴール前に入るタイミングや位置についての声が飛んでいた。同じ大型プレーヤーだった船越コーチにとって、石井への期待は大きいのだろう。ニアで自分がそらす狙いとは異なる形だったが、セットプレーから貴重なゴール。石井は「セットプレーは勝負を分けるとミーティングでも話をしていたので、そこで早い段階で自分が点を取れて、チームも勢いに乗れたかなと思います」と喜んだ。

 ゴールを決めた後、石井は守備でも魅せた。18分には味方のミスからピンチを迎えたが、ラストパスを的確な動きで阻止。22分にもカウンターからピンチになりかけたが、石井が一発で食い止めた。

 トップスピードの速さ、鋭いカバーリングも強みの石井だが、今回は怪我明けでの合宿。初速が上がらない中だったが、予測を意識することで補い、ビッグプレーでチームを救った。得意とするビルドアップを含めて攻守で躍動。ただし、この日の試合の途中までは考え過ぎて上手く行かない部分があったという。

 それでも、「得点を決めることができて、考えすぎたところが吹っ切れたところがあって。自分の良さだったり、守備でもカバーリングだったりとか良さが出せたのかなと思います」。元FWで高校1年時にコンバートしたCBは、ゴールを自信に攻守で力を発揮し、勝利に大きく貢献した。

 石井は昨年、「湘南のユースで何かチャレンジしようとなって、eスポーツやろうと」という理由で国体の文化プログラムとして開催された「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2021 MIE」eFootball ウイニングイレブン部門高校生の部 神奈川県代表決定戦に出場。慣れないプレステーションでの競技だったというものの、対戦相手の棄権などもあって決勝進出、そして優勝し、関東ブロック予選に出場した異色の経歴を持つ。現在はサッカーに集中。U-19代表候補合宿で刺激を受けたという大型レフティーは、ここからさらに成長する意気込みだ。

「自分は身長もあって左利きという大きな特長を持っているので、その中でも攻撃面などで違いを持っていきたい。(U-19代表候補の同じCBにはチェイス・アンリ坂本稀吏也ら)自分持っていないものを持っている選手が多い。吸収して成長していきたいと思って臨んでいた。刺激を受けて、成長していきたい」。湘南U-18からトップチームへ昇格したばかりの大器は今回の自信、刺激を進化に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)

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