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本人も驚くU-19代表候補初選出。岡山MF佐野航大は“下”から「これからも頑張って選ばれていきたい」

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U-19日本代表候補初選出のMF佐野航大(岡山)は強度ある守備や崩しに係る動きも

[3.2 練習試合 U-19日本代表候補 5-1 桐蔭横浜大 高円宮記念JFA夢フィールド]

 待望の世代別代表候補初選出。MF佐野航大(岡山)は「選ばれると思っていなくて(苦笑)、でもそこで選ばれたので素直に嬉しいというのが一つと、代表となるとレベルが高くなるので、自分がどれだけできるか試す良い機会」と意気込んでU-19日本代表候補合宿に参加した。

 フットサル仕込みの技術力の高さや展開力、球際の強さを特長とする佐野は、米子北高(鳥取)の大黒柱として攻守両面で活躍し、昨年のインターハイ準優勝。岡山へ進み、2月20日に行われた甲府とのJ2開幕戦でプロデビューした。さらに27日のJ2第2節の徳島戦にも2試合連続で交代出場。J2公式戦を体感し、U-19代表候補合宿にチャレンジした。

 この日はダブルボランチの一角として先発出場。序盤はボールを握られる時間が多く、なかなかボールに絡めなかったが、チームが守備から安定したこともあって、良さを出す回数を増やした。強度の高いディフェンスに加え、攻撃面ではボールを丁寧に繋ぎながら、相手に隙あれば縦パス。崩しにも係るなどゴールを目指した。

 ただし、決定的な仕事をするまでには至らず、本人は「まだまだ」と首を振る。自分が代表常連や力のある選手たちを追う立場だということを改めて理解。ただし、今回の合宿で自信を得た部分もあり、選ばれ続けたい、成長してAFC U-20アジアカップやU-20ワールドカップに出場したいという思いは強くなっている。

「立ち位置的にはまだまだ全然下の方で、みんな上手くて、レベル高くて、なので、そこに食らいついていくのに必死なんですけれども、自分でもやれた部分も、まだまだ足りないなと思った部分もあったし、(U-19代表では)そういうことを感じられるので、これからも頑張って選ばれていきたい。(世界も)今回選ばれて近くなるかなと思いました」と前を向いた。

 岡山でプロデビューを果たし、続けて出場機会を得ているが、「チームでも出場機会を頂いて、でも全然レベル的には下の方。通用している手応えは全然なくて、ついて行くのに必死です。まだ余裕持って物事を進めていくのはできないので、(出られているのは)一生懸命やることを続けてきた結果かなと思っています」と自己分析。クラブでも、代表チームでも、ボールを持って前を向いた際には良さも出せているが、ドリブル、展開、飛び出す動きなどもっともっとやらなければならないと感じている。

 初の代表候補合宿では、「サッカー外のところから意識の高い人ばかり」「サッカーだったらみんな基礎技術高くて、上手い」というチームメートたちから学ぶことが多かった。トレーニング、ピッチ外で得たものを忘れず、岡山でまた努力を重ねる。

 U-19代表候補初選出に当たり、町田で活躍中の兄・MF佐野海舟からは「おめでとう」というメッセージ。兄が経験できていない年代別代表に選出された佐野は、13日のアウェー・町田戦で目標としてきた兄と直接対決の可能性がある。まずはクラブに戻ってアピール。そして、兄弟対決での勝利も今後の代表定着、将来に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)

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