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日本vsベトナム 試合前日の森保一監督会見要旨

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 日本代表は29日、カタールW杯アジア最終予選の第10戦でベトナム代表と対戦する。森保一監督は28日、埼玉スタジアム2002で前日オンライン会見を行った。

 以下、試合前日の森保一監督会見要旨

●森保一監督
「明日のアジア最終予選最終節のベトナム戦、われわれは前節でW杯出場権を掴み取ったが、この最終戦も勝ってホームのサポーターの皆さんに喜んでいただくこと、そして次のW杯での最終目標に向けて勝利してつなげていきたい」

——W杯に向けた第一歩の試合でもあると思うが、選手にどんなプレーを望むか。またいろんなチャレンジができる試合になると思うが、先発メンバーの考え方は。
「まず1点目の質問だが、明日チームとして選手に望むことはわれわれがアジア最終予選をホームで勝って、グループ首位で終わらせるということ。勝って、サポーターの皆さんやわれわれを応援してくださる国民の皆さんとW杯最終予選の勝利を喜ぶ結果を目指して戦いたい。選手たちに求めることはもちろん、1試合全力で戦う、勝利することはこれまでもやってきたが、より最終目標ということを意識して、高い目標でわれわれは基準を持って戦っているんだというところ、志を持ってプレーするところを見せてもらいたい。2点目は明日は直近のオーストラリア戦からはメンバーを入れ替えて戦いたいと思う。すでに昨日の練習の中でトレーニングを積んできた。最終的に昨日のトレーニングの通りになるかわからないが、大幅にメンバーを変えて戦いたい。その意図はわれわれはこれまで怪我人が出たり、アクシデントが出る中、総力戦で戦ってきたということ。総合力を示しながらW杯出場権を掴み取ってきたこと、チームの力を示せるように戦いたいと思う」

——練習を見せていただいて、ランニングではリラックスした表情だったが、ゲームでは怪我人が出るくらいの勢いでやっていた。普段もあれくらいの強度でやっているのか。
「おっしゃる通り、昨日も選手たちがリラックスしている状態から集中モードに入る、そういうところを見ていただいたと思う。普段もオフではしっかりリラックスしたところであったりというところを持ちながらも、オンの状態に入った時にはトレーニングの試合から集中してハードワークする姿勢について、メリハリを持って普段からオンザフィールド、オフザフィールドを使い分けてくれている。ゲーム形式では非常に高い強度で選手たちもトレーニングしてくれている。普段からもコンディションが整っているときは、できるだけ高い強度で練習することは選手たちにやってもらっている」

——今までと先発が代わり、選手が変わることで戦いに幅が出ると思うが、タイプの違う選手をこれまでのベースのポジションに入れる狙いは。
「戦術的なコンセプトという部分のベースはチームとして変わりないが、出ている選手が違えば特徴が変わる。その選手の特徴を活かすことであったり、そういう部分は多少戦い方が違う部分もあると思う。コンセプトのベースは同じでも、出ている選手が違えば違ったオプションを持って戦える。明日の対戦相手のベトナムも、これまでのスカウティング通りでいけば3バックでくる。直近のオーストラリアとは違うシステムでプレーしてくるので、そこはわれわれもベースを持ちながらも対応力を持って、違う戦い方、オプションを見せないといけない」

——これまで勢いを出す、流れを変える形で起用されていた選手が先発で出ることになると思うが、そういう選手に求めたいことは。
「全体的なチームの戦うコンセプトは変わりはないと思う。その中で個々の特徴を思い切って発揮してほしい」

——ベトナムの警戒するポイントは。
「ベトナムは非常にチームとして成熟しているチームだと思っている。戦い方も粘り強い守備から鋭いカウンター攻撃を仕掛けている。そこのところは注意したいと思う。相手が明日どういうモチベーションで試合に臨んでくるかというのはわからないが、日本に対して挑んでいく姿勢は間違いなく持ってくると思う。われわれが相手の闘い方に対して受けることなく、われわれ自身が明日の試合にホームで勝つんだというところ、最終予選でグループトップを掴み取ること、さきほどもいったが、高い基準を持って、高い目標を持って戦うところを見せたい。結果も内容も自分次第だということ、アグレッシブに仕掛けていけるように戦いに臨みたい」

——ベトナム代表の印象は。
「ベトナム代表の印象は非常に組織力が高く、粘り強く守備をしながら鋭いカウンター攻撃を仕掛けてくるところ。チームとしてパク・ハンソ監督以下、韓国人のスタッフが長期政権でチーム作りをしていて、崩れることないチームだと思っている」

——ベトナム戦に勝てばW杯抽選会でポット2に入る可能性がある。これまで貫いてきた「目の前の一戦一戦に勝つ」という姿勢の結果だと思うが、そのことについて思うところはあるか。
「特別な思いがあることはないが、われわれの活動であったり、私自身の発言等々をこれまで見聞きしていただいての質問だと思う。目標は持ちながらも目の前の一戦に最善の準備をする、一戦一戦戦っていくことをやってきた結果がしっかり前進していくこと、チームの積み上げがあってポットのところになるのかなと思っている。ただいろんな結果は後付けで、まず自分たちが何をやるべきかというところ。目の前の試合でやるべきことをやるということを変えずにやっていきたいと思う。そしてそうやって目の前の一戦に全力を尽くすということで、やってこられたのも、日本にはたくさんいい選手がいるから。目標は持ちながらも、高い基準を志しながら、いい選手たちが今やらないといけないことに集中して、全力を尽くすこと、油断や隙なく戦っていけば結果は後からついてくる。目標にも自然と近づいていける。いい選手たちが一人一人の持っている力を100%発揮できれば、勝つ確率は自然と高くなる。目標と勝利が自然とわれわれに近づいていくという考え方でやっている。選手たちが私自身にそう考えさせてくれている。明日も消化試合になることなく、目の前の一戦に勝つこと、サポーターの皆さんに喜んでいただける結果を出したい」

——どのようなプレーを期待するか。
「インテンシティ高く、激しく厳しくプレーしながらも技術力を発揮すること、チームとして攻守にわたり、連係連動して一丸となって戦う姿を見せてほしい。スタートから試合が終わるまで集中力を切らすことなく、最後までチーム一丸となって戦い抜くこと、これまでやってきたことをしっかり表現してもらいたいと思う。いま言ったことはベースとなる部分だと思うし、いわゆる当たり前のことだと思うので、当たり前のことを当たり前にやり続けること、そこを準備段階から臨んでほしいと思う」

——長かった最終予選、明日ミーティングが最後になると思う。選手たちにどんなことを伝えたいか。
「最後のミーティングにはなると思うが、特別選手に話すことは考えていない。試合に向けて選手たちが思い切ってパフォーマンスを発揮してくれるようにしたい。戦術的な確認、メンタル的な心の持ち方を伝えたい。ただ明日だけではないけど、われわれは明日戦う部分ではルール上、メンバーを絞って戦いに臨むが、目の前の選手たちを見ながらも、これまで代表に思いを持って、代表のためにプレーしてくれた選手たちはたくさんいるということを考えている。多くの選手たちが代表への思いを持ってくれたり、代表活動に参加してくれたことによって、つなげてくれたことによって、いま戦うことができていると思う。目の前の選手たちに、明日の試合勝つためにと働きかけながらも、選手たちの後ろにはたくさんの選手たちがいることを自分自身想像しながら明日戦う選手たちに働きかけたい」

——ベトナム戦に向けてどんな覚悟で挑んでいくか。
「明日の試合もホームでわれわれは勝ちたいという気持ち、勝たないといけない気持ちで臨む。プレッシャーはあると思うが、アジア最終予選ではW杯出場権を当たり前のように勝ち取らないといけない部分で大きなプレッシャーの中で戦ってきた。そのW杯出場権を掴み取るというプレッシャーからは解放され他ことで、明日の試合、目の前の一戦に勝つという思い切ったプレーを見せてくれるのではないかと思っている」

——これまで何か誤算があったか。
「誤算も含めてアクシデントや想定外が当たり前にあると考えている。不測の事態がある中でそういうことをどうやって乗り越えていけるか、乗り越えながら結果を出せるかを考えてきた。これからもその考え方に変わりはない。ただ残念なことがあるとすれば、コロナ禍でサポーターの声援を受けながら東京五輪を戦えなかったり、最終予選でもスタジアムで入場制限があったり、声を出して選手にサポーターから応援をしていただくことがなかったこと。それはこれまでの最終予選のイメージとは全く違っていた。大勢のサポーターの皆さん、超満員の埼玉スタジアムで日本代表のサポーターに囲まれて試合をしたかったなという気持ちはある。選手たちにもその中でプレーしてほしかった。でもアクシデントや想定外は当たり前にあることだと思っているし、起きている状況を受け止めながら、現実と向き合って結果を出していくことを考えてきた。相手も同じ条件で、そういった意味では当たり前のこととして捉えていた。ただ振り返ると残念だったなと思う」

——そうした環境の中で、自身を我慢強いほうだと思うか。
「皆さんの評価にお任せするが、自分の中では普通にことかなと思っている。コロナ禍でのスタジアムの様子が変わった部分では、日本もコロナ禍であるなか、いろんな状況が変わってきているし、欧米やオーストラリアではマスクを外して声を出しながら観客制限もなく、普通に生活をしている、スポーツを楽しんでいる光景を目にしている。早く日本もそういう状況になればと思っている。医療従事者の方々、各省庁の皆さん、地方行政の皆さん、エッセンシャルワーカーの皆さん、飲食をはじめとする従業者の皆さんがコロナで大変な思いをしている中、ウィズコロナで普通の生活に切り替わっていくようにと願っている」

(取材・文 竹内達也)
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