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「どれだけ通用するか知りたかった」三笘薫に立ちはだかった“レアルの壁”「まだまだ差が大きい」

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DFエデル・ミリトンとマッチアップしたMF三笘薫

[6.6 キリンチャレンジ杯 日本 0-1 ブラジル 国立]

 日本代表が誇るドリブラーMF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)に立ちはだかったのは、今季のレアル・マドリーを欧州CLとラ・リーガの2冠に導いたDFエデル・ミリトンだった。三笘は後半27分からの出場で縦への仕掛けを再三試みたが、ドリブルが成功したのは1本目のみ。それも素早いプレスバックで阻まれると、以降は完璧な1対1守備を続けられ、「まだまだ差が大きいのを感じられた」と振り返るしかなかった。

 後半27分、MF南野拓実(リバプール)との交代で左ウイングのポジションに入った三笘。日本をW杯出場に導いたジョーカーの登場に、国立競技場のスタンドは大いに沸き立った。

 ブラジルはその直前、DFダニエウ・アウベス(バルセロナ)に代わって本職センターバックのE・ミリトンが右サイドバックへ。すると日本はなかなかチャンスがない中、同32分にFWネイマール(パリSG)で先制点を献上。ようやく三笘にファーストチャンスが訪れたのは失点から約5分後の同37分だった。

「スピード感もゆっくりになってスペースもあって、深い位置まで切れ込むことしか考えていなかった。ボールを持ってやり切ること、自分が崩していくことを考えていた」。自らの武器を最大限発揮することにフォーカスしていた三笘は「スピードが速いのは分かっていた」というミリトンに対して対人勝負を敢行。「自分のドリブルがどれだけ通用するか知りたかった」との思いもあった。

 そんな目論見は奏功し、1本目のドリブルは成功。だが、そこからがさすがブラジル代表だった。すぐさまプレスバックをしてきたミリトンにボールを奪い返されると、同42分には味方とのワンツーからエリア内に切れ込み倒されるも、ファウルを告げる笛は鳴らされず。同43分、2度目となったミリトンとの1対1は完璧な対応で阻まれた。

「おそらく僕自身の1本目の仕掛けを見て立ち位置や体の向きを考えてきた。自分はそれに対応できず、すごく速い対応力だった。自分もそれでプレーをうまく変えることができればよかった」。試合後のオンライン取材でそう振り返った三笘は「仕掛けるところを意識していたけど、流れを変えられなかった」とこの日のパフォーマンスを総括しつつ、「スピードやフィジカルをもっと上げていきたい」と改善点を語った。

 またもう一つ驚いたのは途中出場の自身に対し、フル出場の相手が上回ってきたことだったようだ。

「フレッシュな状態で対峙して、相手が疲れている中で対応されてしまった。スピード、強さが感じられた」と述べた三笘は「雨の中で疲労があって前半の方が強度が高かったと思う。それでも得点に絡むことができなかった」と悔しさを吐露。「強さというのを肌で感じられたのでよかったけど、まだまだ差が大きいのを感じられた。もっともっとレベルアップしないと本大会で勝てない」と危機感を口にした。

(取材・文 竹内達也)
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