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守備だけで満足しない中山雄太「左サイドの攻撃に厚みがないのは自覚している」

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ブラジル戦一夜明けで汗を流すDF中山雄太

 善戦しただけで満足することはできなかった。6日のブラジル戦(●0-1)に左サイドバックでフル出場した日本代表DF中山雄太(ズウォレ)は「結果が問われる試合だったのは間違いないので、結果として出なかったのは悔しい」と振り返った。

 日本の左サイドでFWラフィーニャ(リーズ)とマッチアップし、後半17分からはFWガブリエル・ジェズスと対峙した。欧州を代表するアタッカーと90分間にわたって激しい攻防を繰り広げ、「何ができて、何ができなかったかは自分の中でハッキリしている。それを世界レベルの強豪国との試合で判断できたのは大きかった」と収穫もあった。

 中山だけでなく、守備陣は体を張って粘り強く対応し、PKによる最少失点に食い止めた。「試合前から立ち上がりの失点をなくそうというのは話していたので、結果で見れば、前半をゼロで終えられたことはよかったけど、開始1分ちょっとでポストに当てられている」。

 前半2分にFWネイマールのヒールパスからMFルーカス・パケタにポスト直撃のシュートを打たれたシーンを振り返り、「紙一重だったし、ああいう場面もなくせるように、序盤の試合運びをしっかりやっていかないと、W杯になったときは歓声もよりブラジル寄りになると思うし、雰囲気をいきなり持っていかれる可能性もある」と、ドイツやスペインと対戦するカタールW杯を見据えた。

 強豪国から勝ち点を奪っていくには粘り強く守備をしながら、一方でゴールを奪う必要もある。「後ろからのビルドアップはどの相手でも同じようにできるけど、アタッキングサードからのアイデアだったり、そこの差はあったと思う。ゴールに近づく回数、ゴールに迫る人数という部分で、ブラジルとのシュート数の差が生まれたのかなと思う」。攻撃にかける人数という意味ではサイドバックの攻撃参加も必要になる。

「僕が上がることで、対峙していたラフィーニャが下がるときもあれば下がらないときもあった。(吉田)麻也くんとコンタクトを取って『残れ』という指示もあったけど、僕の中ではもう少し上がりたいなというのもあった」。MF伊東純也の突破力が大きな武器となっている今、攻撃の比重が右サイドにかかるのは自然でもあるが、「左サイドが右サイドより攻撃に厚みがないのは自覚している。改善できるとは間違いなく思っている」と力を込める。

「(日本の戦い方として)どちらかというと、右の(伊東)純也くんにいかにいい形でボールを送れるかというのがあるけど、そこだけになれば相手にも単調に見えてくる。純也くんはそれでも行ける能力があるし、そこはストロングなので難しいところだけど、W杯になれば相手も分析してくるし、試合の中で対応してくる。そこを封じられたら終了では勝ち上がっていけない。そこはブラジルから学んだ部分でもある」

 攻撃のバリエーションを増やし、強豪国からゴール、勝ち点を奪っていくために、残された時間でやるべきことはまだまだある。

(取材・文 西山紘平)

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