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関東大会初出場に続き、インハイ予選も茨城4強。東洋大牛久は繋いで1点取り返し「プラス」の敗戦

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後半27分、東洋大牛久高は2年生FW成島拓己(左)が追撃ゴール

[6.15 インターハイ茨城県予選準決勝 東洋大牛久高 1-4 明秀日立高 ひたちなか市総合運動公園陸上競技場]

 試合開始1分に先制点を許すなど前半を0-2で終了。だが、東洋大牛久高はこだわって取り組んできたビルドアップで反撃する。DF陣もピンチを何とか凌いで2点差のまま迎えた27分、東洋大牛久は右サイドでボールを繋ぎ、交代出場のMF鈴木大晴(2年)がクロスボール。これに勢いよく飛び込んだFW成島拓己(2年)がヘディングシュートをゴールに突き刺した。

 1点差。チームの雰囲気は一気に高まり、運動量や強度、そして声が増していく。丸山和男監督が「後半はチャレンジできて、夢を見た1-2でした」と振り返る時間帯。最終的に突き放されて1-4で敗れたものの、指揮官は「部員全員でこういう試合ができたことはチームにとってプラス材料だった」と目を細めていた。

 東洋大牛久は19年に陸上トラック付きの人工芝グラウンドが完成。それを見て入学してきた世代が今年、関東大会予選で2位に入り、関東大会初出場を果たした。神奈川出身、浦和ユースでのプレーや法政二高(神奈川)コーチの経歴を持つ丸山監督は、自身の地元・神奈川で関東大会を経験。そして、一般入学生のみという高校が、インターハイ予選でも県4強入りを果たした。

 この日は、「明秀(日立)さんや鹿島学園さんはフィジカルが強いので、同じ土俵で勝負してもなかなか勝てないので、こだわって判断とボールの技術で。人工芝になったのもあるので、しっかりビルドアップして勝率を高めていこう」という指揮官の下で身につけた力を強豪・明秀日立相手にも発揮。よりボールを保持する力やフィジカル面の必要性を感じたチームは、またトレーニングを重ねて県2部リーグから1部リーグへの昇格、そして選手権予選での勝利を目指す。

 丸山監督は選手の頑張りに加え、保護者からの差し入れやサポートにも感謝する。全ての試合の映像を保護者が動画撮影し、その日のうちに提供。チームは学校の昼休みにその映像を見ながらミーティングを実施し、躍進に繋げてきた。

 この日はMF佐野晴主将(3年)や10番FW植田澪(3年)ら3年生と6人が先発した2年生たちが貴重な経験。指揮官も「楽しかったです」と振り返った一戦から、チーム一丸となって成長し、東洋大牛久の名を県内、全国に広める。

(取材・文 吉田太郎)
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