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本職CBで巻き返しか、U-23代表主将・山村「どっちで出ても自分のプレーを」

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 U-23日本代表、関塚ジャパンで主将を務めてきた男が危機感を持ってフランス遠征へ出発する。DF山村和也(鹿島)は流通経済大3年で出場した10年アジア大会から主将、そしてボランチの主力としてチームを引っ張ってきた。だがロンドン五輪アジア最終予選開幕直後の昨年9月に左第5中足骨骨折した影響でチームから離脱。今年2月の同予選シリア戦で復帰したが、力を発揮できずにチームも敗れ、ラスト2試合は先発の座も失っていた。

 MF扇原貴宏(C大阪)の台頭もあり、中盤の先発争いで厳しい状況にある山村。今後のプレーが自身の将来を左右するであろうことも理解している。ただ今はトゥーロン国際大会でアピールすることだけに集中。「怪我明けだったシリア戦でのパフォーマンスも凄く悪くて、チームにも迷惑をかけたので(先発落ちは)仕方ないという部分もあったんですけど、今Jでこうやってできているので、学んでいることをしっかりと出していけたらいいかなと思います。(ロンドン五輪は)メンバーも18人なので(トゥーロン国際大会では)いろいろ選考も含まれてくると思うので、しっかりアピールするところはやって、オリンピックのメンバーにまず入れるようにしっかりやってきたいと思います」と誓った。

 18枠入りの可能性について「全然分からないですね」と語る山村だが、本職のCBでロンドン五輪への道を切り開くかもしれない。流通経済大時代、チームではCBを務めてきた山村だが、代表ではボランチの主力。ただルーキーながらリーグ戦で9試合連続フル出場するなど、強豪・鹿島でCBのレギュラーとして出場し続けている主将は今回、これまでのMF登録からDF登録へ変更された。CBは元々中盤以上に自信を持っているポジション。「(CBで出場することになれば)カバーリングのところだったり空中戦のところでは負けないようにしていきたい。(Jでは)上の方で少し負けていることもありますけれど、ある程度やっていけるかなと思っています。(CBでも中盤でも)どっちで出てもしっかり自分のプレーができるように準備しておきます」。本人はポジションにこだわらず、チームの勝利に貢献し、代表に生き残る意気込みだ。

 かつての五輪代表がそうであったように、予選で主将や主力を担っていても本大会に出場できる確証は全くない。ただ大学生からJリーガーとなって学んできた今年、山村には「大学とはまた違ったレベルの高い中でやらせてもらっているので、見ても学べるし対戦相手からも学べているのでそういった部分では成長は少しずつできていると思います」という手ごたえがある。コンディションも取り戻して迎える五輪代表入りへの正念場。主将がチームを勝たせて再び評価を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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