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福岡は天皇杯敗戦も、得意パターンから同点に手応え「正しい道を進んでいる気持ちで」中2日のルヴァン杯準決勝へ

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FW金森健志が前半に一時同点ゴール

[10.8 天皇杯準決勝 川崎F 4-2 福岡 等々力]

 今シーズンを象徴するパターンで一時同点に追いついた。しかし、その勢いは続かずに天皇杯初優勝の夢は途絶えた。アビスパ福岡FW金森健志は「すごくもったいないというか、川崎はやっぱりひとつ強いと感じた」と振り返った。

 クラブ初のタイトルまで残り2試合となった天皇杯準決勝。だが、開始5分でその出鼻をくじかれる。セットプレーから失点を喫し、早々に追いかける展開となった。「これから行くというときに失点だった。難しい試合展開になってしまった。本当にもったいない」(金森)。それでも、シーズン後半戦から勢いに乗る福岡は、徐々に敵陣まで近づいていく。

 すると、前半のうちに追いついてみせる。前半42分、敵陣付近の右サイドで相手のスローインになると、FW山岸祐也、FW紺野和也、DF前嶋洋太ら狭い間隔で待ち構える。前嶋が体を張ってボールを奪うと、MF井手口陽介、紺野とつながり、山岸が反転しながらPA右の深い位置まで進入。「(山岸が)シュートじゃなくて中を見てくれていた。自分もそれを信じて中に入って、いい距離感でできた」(金森)。山岸の折り返しに金森が合わせ、1-1と試合を振り出しに戻した。

 長谷部茂利監督も試合後の会見で、味方同士の好連係から生まれた同点ゴールを称賛する。「いい形を取れた。しかし、回数が少ない。あそこのスペースを取りに行く回数が少なかった。もう少しできたんじゃないかなという残念な気持ちと、少なくともあそこでいい形で点を取れたことはよかった」。そして、その回数が少なかったことに悔しさもにじませていた。

 1-1で後半に折り返したが、後半は強烈なミドル、カウンター、セットプレーで3失点を喫した。指揮官も「防げる失点を繰り返して点差が開いた」と肩を落とす。しかし、天皇杯は終わったが、福岡はルヴァン杯もベスト4に残っており、その試合は3日後の11日に行われる。この雪辱を果たす場はまだ残っており、長谷部監督は「やっていることは間違っていない。正しい道を進んでいるんだという気持ちで、ベクトルを合わせて続けていきたい」と力を込める。

 金森も気持ちを切り替えている。「落ち込んでいる日はない」とルヴァン杯に目を向け、「中2日でルヴァンでまた決勝に行けるチャンスがある。みんなで前を向いて、しっかり準備して絶対に勝ち上がりたい」と目を光らせた。

(取材・文 石川祐介)
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Text by 石川祐介

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