6月1日に発売されたadidasの最新スパイク「プレデター リーサル ゾーン」。選手のボールスキルを最大限に引き出すというコンセプトのもと開発された最新鋭のスパイクを着用した選手の中から、実際の試合で素晴らしいボールスキルを披露したプレイヤーをピックアップする連載企画「MVP of Predator」。第7回はEURO2012準決勝・ポルトガル戦でPK戦の末、スペインを決勝に導いたGKイケル・カシージャス選手です。

[6.27 EURO準決勝 ポルトガル0-0(PK2-4)スペイン ドネツク]

　史上初のEURO連覇へ、ついに王手をかけた。スペイン代表がPK戦の末、ポルトガル代表を下し、2大会連続の決勝進出が決定。GKイケル・カシージャスの渾身のセービングが、傾きかけた流れを引き戻した。

　ポルトガルがやや優勢に試合を進めた90分間を0-0で終え、延長戦に突入すると、疲労の色が見え始めたポルトガルをスペインが徐々に押し込んでいく。立て続けに決定機を迎えながら、ポルトガルGKルイ・パトリシオがそのたびにビッグセーブ。あと一歩のところでゴールを割れず、試合はPK戦へともつれ込んだ。

　先攻はスペイン。ところが、一人目のキッカーを務めたMFシャビ・アロンソのキックはGKパトリシオのセービングに阻まれる。いきなりのPK失敗。流れはポルトガルに傾くかと思われた。それを食い止めたのが、スペインの主将でもあるカシージャスだった。

　後攻のポルトガルの一人目はMFジョアン・モウティーニョ。ゴールに向かって左方向を狙ったキックをカシージャスが横っ飛びで弾き出す。ポルトガルにリードを許すことなく、スペインは2人目からは全員が成功。一方、ポルトガルは4人目のDFブルーノ・アウベスがクロスバーに当ててしまう。スペインは5人目のMFセスクも決めて勝負あり。PK4-2で競り勝った。

　他国の厳しいマークにも遭い、苦しみながら決勝進出を決めたスペインを支えてきたのはカシージャスを中心とした守備陣だ。これで4試合連続の無失点。グループリーグ初戦のイタリア戦(1-1)の後半16分にFWディ・ナターレに先制点を許したのを最後に、419分間無失点を続けている。

　この日のポルトガル戦で代表戦136試合目の出場となったカシージャスは、スペイン代表史上最多キャップを更新し続けている。安定したパフォーマンスに、時に神がかったセービングを見せ、EURO2008で欧州ナンバー1、10年の南アフリカW杯で世界一に上り詰めた。そんな世界的な名手の足元を支えるのが『プレデター リーサル ゾーン』だ。下半身の安定感、瞬間的な反応を可能にする軽量性とフィット感。ゴールセービングにおいても高いレベルのパフォーマンスを引き出す最新鋭のスパイクが、カシージャスに抜群の安定感をもたらしている。

　2大会連続4度目の決勝進出を果たしたスペイン。史上初のEURO連覇をかけた7月1日の決勝を制すれば、EURO、W杯、EUROという前人未到の“3連覇”を達成することになる。攻撃陣にばかり目を奪われがちなスペイン代表を最後方から支えるカシージャス。ファイナルの舞台でも完封に抑え、世界のサッカー史に新たな1ページを刻み込む。

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