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[フットサルW杯2012]ロシアGKグスタボ「完璧を出せなかった。だから負けた」

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[11.14 フットサルW杯2012 スペイン3-2ロシア ニミブット]

 再三の好セーブも、勝利には届かなかった。グループリーグの3試合、そして決勝トーナメント1回戦のチェコ戦(3-0)とフットサル・ロシア代表は無失点で勝ち上がって来ていた。1試合に10点以上が入ることが、決して珍しくない20m×40mのピッチで行われるフットサルにおいて、この記録は脅威以外の何物でもない。しかし、ベスト4進出を賭けて臨んだスペイン戦、ロシアは先制したものの前半のうちに3失点を喫してしまう。結局、2-3で敗れ、タイに別れを告げることとなってしまった。

 この試合、両国のGKが見せた守備力は驚異的だった。集中力を一瞬も切らすことがなく、イージーミスは一切なし。目で追うのが精いっぱいというような早い展開からのシュートに対しても、鋭く反応して枠外へ弾き出し、好勝負を支えていた。

 フットサルのGKは、サッカーのGKに比べてより多くの回数ボールに触る。また、ゴールキックではなく、ゴールクリアランス(GKのスローイン)から試合が再開されることもあり、正確なスローが求められることから、GKはグローブをはめないでプレーすることがほとんどだ。だが、ブラジル生まれのロシア代表GKグスタボは「子供の頃からずっとグロープを着けてプレーして来たからね。僕にとってはこれが自然なことなんだ」と話し、サッカー選手のようにグローブを着けてプレーしていた。

 この試合でも、好セーブを連発したグスタボは、立ち上がりは悪くなかったと振り返る。「試合に集中して臨むことができていたからね。先制して、すごく良い形でプレーできると思っていた。でも、僕たちは完璧な試合運びはできなかった。今日の全体のパフォーマンスを見れば、ロシアは『まぁまぁ』だったと思う。でも、相手はスペインなんだ。スペインを相手に『まぁまぁ』で勝利を得ることはありえない。完璧を出さなければいけなかったけど、それができなかった。だから負けたんだ」と唇をかんだ。

 今大会、5試合を戦ったロシアの総失点数は『3』だ。しかし、スペインに敗れた彼らはタイを後にすることになった。「また4年後。今度はもっと良い結果を出せるように取り組むよ」。力なく肩を落としたグスタボだったが、視線はすでに次を見据えていた。

(取材・文 河合拓)

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