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[Fリーグ]攻守に活躍した GK冨金原「スズくんがいると安心感が違う」

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 デウソン神戸は、守備のチームだ。堅守からの速攻を武器に、これまでもリーグ戦で上位に入ってきた。しかし、今季はFP鈴村拓也が治療のため戦列を離れ、FP山元優典もケガで戦線離脱。14節を終えて、1試合あたり3失点の46失点を喫していた。

 15節の湘南戦、神戸には元日本代表の鈴村が復帰。チームは今季リーグ2位の得点力を誇った湘南を最少失点に抑えて、3-1で勝利した。好守を見せた日本代表GK冨金原徹は「この会場の雰囲気だったので。自分が持っているもの以上のものを引き出せてもらったと思います」とコメントし、「やっぱり後ろから見ていても、スズくんがいると安心感が違う」と言葉を続けた。

「特にゴール前の場面で、フィクソとGKの連動っていうのは重要になってきます。これまで積み上げてきたものがあったので、一緒にプレーするのは久しぶりでしたが、やりやすさはありましたね。スズくんの中では、細かい部分でブランクを感じる場面があったかもしれませんが、連係面に関して、不安は一切感じませんでした」

 守備だけでなく、冨金原は攻撃でも数字を残した。終了間際、パワープレーに出て来た湘南の攻撃を凌ぐと、素早いリスタートからFP岡崎チアゴのダメ押しゴールをアシスト。勝利を決定づけるゴールが決まった瞬間に、冨金原はピッチに崩れ落ちた。

「こういう展開で結果に見に来ているお客さんのためにも、スズくんのためにも結果を出したかったので、うれしかったです。今までの神戸なら、同点ゴールを決められたときに、ガクンと落ちてしまっていた。今日に限っては、常に『行けるぞ』っていう気持ちを持って戦えました。それはデカイし、これから続けていきたいです」

 この試合に勝利し、9位から7位に順位を上げた神戸。だが、この試合にいつまでも浸っているわけにはいかない。「目の前の一試合に勝たないと次がないから。必死にやっていきたいです。プレーオフ進出が目標ですからね」。鈴村という守備の柱が復帰し、自信と堅守を取り戻した神戸。彼らの逆襲は、ここから始まる。

(取材・文 河合拓)

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