beacon

[選手権予選]パススタイルで初V狙う本庄一、昨年度4強の川口北撃破

このエントリーをはてなブックマークに追加

[10.8 第91回全国高校選手権埼玉県予選2次L第2節 本庄一2-1川口北 惣右衛門G]

 第91回全国高校サッカー選手権埼玉県予選は8日、2次リーグ第2節を行い、県新人戦4強の本庄一と昨年度県4強の川口北との一戦は本庄一が2-1で制し、Fブロック首位へ浮上した。

 埼玉を代表するCB矢部純也主将(3年)を中心とした3バックから、徹底してショートパスでボールを動かす特長的なサッカーを展開。本庄一が勝ち点3をもぎ取った。矢部やMF朝香竜悟、MF一場脩馬(ともに3年)を中心としたポゼッションからリズムをつくり、FW加藤竜(3年)の背後への飛び出し、抜群のスプリント力で左サイドを上下動する左MF杉本淳(3年)をアクセントに攻める本庄一は前半2分に左サイドを崩して朝香が決定機を迎えると、その後も局面でのワンツーなどで川口北守備陣を崩しにかかる。

 川口北はボールを奪うとオープンスペースへの攻撃からクロスへ持ち込んでくる。だが女子サッカーの湘南学院監督としてなでしこジャパンの近賀ゆかりや矢野喬子を指導し、日本一も経験している高橋秀弥監督が「(パスサッカーを身上としている以上、)蹴ってくるチームに対して対応しなければいけない。合宿で朝5時半からヘディングだけを2時間やらせたりしていました。(小柄な選手でも)ヘディングは負けないですし、跳ね返せる自信があります」という空中戦の強さで、確実に相手の攻撃を跳ね返していく。

 川口北は17分にMF大木健太郎(3年)の右足FKがゴールを襲い、32分には右スローインから逆サイドへつないでFW上村渉(3年)がゴール左ポスト直撃のヘディングシュートを放った。ゴールを脅かす場面をつくっていたが、先にスコアを動かしたのは本庄一の10番、FW雨宮洋輔(3年)が決めたスーパーゴール。前半ラストプレーで自陣のDF阿部智也(3年)から縦へのショートパスをつないだ本庄一は「シュートが少なかったので、最後シュートで終わろうと思っていた」という雨宮がミドルレンジから右足を一閃。これがやや前目にポジションを取っていたGKの頭上を射抜くファインゴールとなった。

 ヒーローを全員で迎え入れた本庄一はさらに後半4分にも、こぼれ球を拾った朝香が右サイドの角度のない位置からゴールへねじ込んで2-0へと突き放す。川口北は高い技術でボールを運ぶ10番MF中林大貴と180cmFW押田凌(ともに3年)、1年生MF大隈拓郎が起点となってチャンスメーク。6分に右サイドを崩してから押田が右足シュートを放ち、19分にも中林のインターセプトから大木がシュートへ持ち込むなどチャンスをつくり、岐阜国体埼玉県選抜GK佐川雅寛(1年)の守る本庄一ゴールへプレッシャーをかけていく。

 0-2の試合終盤も、196cmの超大型FWアゲセ・アンドレ健太郎(2年)や左SB加賀稜一朗(3年)のドリブル突破などあきらめずにゴールを目指す川口北は37分、攻撃参加したCB橋本將平(3年)の右クロスが相手DFのオウンゴールを誘って1点差。さらにクロス、ロングスローで攻め立てる。だが、徹底してヘディングを磨いてきた本庄一から同点ゴールを奪うことはできず、本庄一が決勝トーナメント進出へ大きく前進した。

 リスク覚悟のパスサッカーで埼玉の壁に勝負を挑んでいる本庄一。3バックの中央でパスサッカーの中心となっている矢部は「自分たちはとにかくパス。みんないい時はダイレクトでパスがつながる。団結して自分たちのサッカーをして1位になりたい。攻撃的なサッカーをやってパスで打開する」と意気込んだ。「ボールを動かすことが勝利につながる」という指揮官の下、徹底して磨いてきたパスサッカーで本庄一が初の頂点へ挑戦する。

[写真]前半終了間際、雨宮(10番)の先制ゴールを喜ぶ本庄一イレブン

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2012

TOP