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[選手権]「最初のキャプテンは先生だった」京都橘、主将高林が明かす成長のわけ

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 14日に鵬翔(宮崎)と決勝を戦う京都橘は13日、埼玉県内で最終調整を行った。今大会、主将のDF高林幹(3年)はウイルス性の胃腸炎の影響で離脱するというアクシデントに見舞われた。だが離脱中も携帯電話を使いながらイレブンを盛り立てるなど、チームのために働いたキャプテン。準々決勝でようやく後半44分から出場を果たしたものの、決勝もベンチスタートが濃厚だ。だが高林は「声をかけてモチベーションを上げることは出来る」と最後までキャプテンとしての仕事を全うすることを誓った。

 新チームが始動した昨年、当初は適任がいなかったとの理由で、キャプテンは米澤一成監督が務めるていた。副キャプテンに甘んじた高林は当時を振り返り、「指名されなかったのは挫折だった」と語る。だが3月になって高林がキャプテンに昇格。しかしチームはインターハイ予選でも府8強で敗退するなど結果を残せなかった。そこで高林はチーム改革に乗り出すことになる。

「朝7時半に集合して掃除をしています。部室や校門から学校までの落ち葉の清掃をしています」

 掃除は高林ら3年生が1年生の時にもやっていたのだという。2年ぶりの原点回帰。また練習後にも整列してあいさつをすることを徹底した。「以前から話には挙がっていたが、曖昧なままで終わっていた」ということを徹底することで、精神面を鍛えた。そのことが今大会の快進撃につながった。

「生徒たちに隙ができるといけない。タイトルを意識した方が負ける」。“元キャプテン”の米澤監督は最後まで気を引き締める。全国レベルの吹奏楽部ら、明日も国立競技場には大応援団が駆け付け、橘の快挙を後押しする予定。今年度の高校最強チームの称号獲得へ向け、準備は整った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 児玉幸洋)

【特設】高校選手権2012

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