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[選手権]CB芳川が千金ヘッド、全得点の7割占めた鵬翔のセットプレー

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[1.19 全国高校選手権決勝 鵬翔2-2(PK5-3)京都橘 国立]

 狙いどおりの同点ヘッドだった。鵬翔(宮崎)は0-1の後半4分、MF小原裕哉(2年)の左CKにDF芳川隼登(2年)が頭で合わせる。ゴールを空けて飛び出してきたGK永井建成(2年)の前に飛び込み、打点の高いヘディングシュートでゴール右隅へ叩き込んだ。

 準々決勝・立正大淞南戦(3-1)でも2-1の後半8分に小原のFKから勝利を手繰り寄せるダメ押しヘッドを決めていた芳川。「相手がゾーンディフェンスなのは分かっていた。間に飛び込めばチャンスになると思っていた」と胸を張った。

 1回戦、2回戦は0-0からのPK勝ち。3回戦・佐野日大戦(3-0)を含めて3試合連続完封と、序盤の快進撃を堅守で支えた2年生CBが決勝という大舞台で今大会2得点目。今度は攻撃面でチームの窮地を救った。準々決勝の立正大淞南戦ではセットプレーから全3得点を挙げ、準決勝・星稜戦(2-2、PK4-3)の2得点もいずれもセットプレー。決勝もCKとPKと、プレースキックが冴え渡った。

「キッカーがいいので、サインどおりのボールが来ると思っていた」。今大会6試合で10得点の鵬翔だが、計7選手が得点し、一人で3点以上取った選手はいない。堅実な守備をベースに、セットプレーを武器にどこからでも得点できる強さが初優勝の原動力となった。

「表彰式で(メインスタンドの)ロイヤルボックスに上って、バックスタンドを見たとき、日本一になった実感が少し沸いた」と白い歯をこぼした芳川。試合後のロッカールームでは、同校OBのFW興梠慎三(浦和)も姿を見せ、「お前ら、最高だ」と祝福を受けたことも明かした。

 レギュラーのうち芳川、小原、MF川崎皓章は2年生で、FW北村知也は1年生。「3年生から引き継ぐものは引き継いで、ゲームメイカーの2人(小原、川崎)は自信を持ってできると思うし、自分はDFとして(攻撃は)ゲームメイカーの2人に託して、また今年のようなサッカーをしたい」。初優勝の次は連覇。新たな夢を胸に秘め、芳川は王者として迎え撃つ新年度への決意を語った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

【特設】高校選手権2012

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