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[選手権]1、2年生6人先発の京都橘新主将・小屋松「ここへ戻ってくる」

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[1.19 全国高校選手権決勝 鵬翔2-2(PK5-3)京都橘 国立]

 今大会5得点を挙げてFW仙頭啓矢(3年)とともに得点王に輝いたFW小屋松知哉やMF宮吉悠太(ともに2年)ら京都橘(京都)は決勝で1、2年生6人が先発。3年生の涙する姿を目に焼き付けた下級生たちが来年、「あと1勝」を果たすことを誓った。宮吉は「(3年生から)『ホンマにありがとう、ありがとう』というのを言われましたし、ボクらも本当に感謝しかしていないので『ありがとう』しかないですね」。PK戦によって紙一重の差で逃した全国タイトル。その悔しさの中でも3年生は自分たちに感謝の思いを伝えてくれた。この試合を最後に引退する3年生たちに代わり、無念を晴らすことができるのは自分たちしかいない。ピッチ、ロッカールームで流した悔し涙を京都橘は来年、必ず嬉し涙に変える。

 今大会開幕前まで全国大会未勝利だった京都橘は正智深谷(埼玉)との初戦をPK戦で制して波に乗った。小屋松と仙頭の2トップに注目が集まったが、GK永井建成(2年)ら各選手が持っている力を最大限発揮したことで上位へ勝ち上がった。全国レベルで通用するプレーで自信をつけた選手たちだったが、頂点に立つためにはまだまだ成長が必要だということを感じている。仙頭の勝ち越しゴールをアシストしたものの、無得点に終わった小屋松は「こういう大舞台で点が取れないのは実力不足だと思いますし、チームを楽にさせる点が取れないのはまだまだだと思います」と首を振った。新チームで主将を務める小屋松は「3年生とこのチームで優勝できなかったので、もう1回ここへ戻ってきて優勝できるように、日々努力したい」と言い切った。

 新チームの始動はまだ未定だが、昨年8強で敗退した京都府高校新人大会はすでに予選リーグが開幕している。まずは新人大会優勝を勝ち取って、夏の全国総体、そして冬の選手権につなげる。宮吉は「そこ(新人大会)が大きな大会になる。獲りたい。何人もメンバーで経験している人が多いので、その経験と悔しさをどれだけ忘れずに1年間できるかが大事。この経験をどれだけ新入生やメンバー外に伝えられるかが(自分たちの)仕事」と引き締めた。

 2年前の全国準優勝校、久御山や12年の新人戦と全国総体予選を制した東山、プリンスリーグ関西1部4位の洛北、立命館宇治など群雄割拠の京都府大会を勝ち抜くことは簡単ではない。ただ、この冬、どのライバルよりも大きな経験を積んだ京都橘は再び京都を制し、日本一に再挑戦する。
 
[写真]京都橘は小屋松らが来年の日本一獲得を誓った
(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2012

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