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[選手権予選]初出場で全国16強の10年度以来の東京制覇へ、駒澤大高が4-0快勝:東京B

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[10.20 全国高校選手権東京都Bブロック準々決勝 野津田0-4駒澤大高 駒沢第2]

 第92回全国高校サッカー選手権東京都Bブロック予選準々決勝、野津田と駒澤大高との一戦は駒澤大高が4-0で快勝した。
 
 駒大高はこの日、東京朝鮮との2回戦で頭部を負傷したCB紺野啓(3年)が先発を外れ、本来右SBの真砂慶太郎(3年)を中央にもってくる陣容。その中で大野祥司監督が「ゼロにこだわって準備してきた」という“ノルマ”をしっかりと果たして準決勝へ駒を進めた。ただ得点差を広げるチャンスはまだあっただけに指揮官はやや不満な様子。試合後、選手たちに厳しいことばをかけたという大野監督は「ここから先は実力だけでは勝てない。運を呼びこむような準備をしていかなければならない」と引き締めていた。
 
 フリーポジションでボールに関わり、ポゼッションをしてくる野津田は選手が激しく入れ替わりながら、ショートパスを徹底的につないでくる。MF小田洋慈(3年)やMF大石夢稀がボールに多く絡み、GK小林崇史(3年)はセンターサークル付近でボール回しに関わるような独特なサッカーを展開した。ただ駒大高はDF間を開けず、簡単には縦パスを入れさせない。大野監督が「思ったよりも良かった」と讃えたCB起用の真砂とDF渡邉愛一朗(3年)の両CB中心に隙のない守りで相手にチャンスをつくらせなかった。

 そして駒大高は前半10分、左SB井浦正人(3年)が右サイド後方からゴール方向へ蹴りこんだキックが、目測を誤ったGKの頭上を越えてゴールヘ吸い込まれる幸運な形で先制点。さらに18分にはMF田邉彬人(3年)の右CKをMF藤田力也(3年)が頭で合わせて2-0と突き放す。

 FW大塚雅史(3年)、FW大塚寛大(3年)、田邉を中心とした縦への力強い攻撃や、両SBのロングスローなどセットプレーも活かして攻める駒大高は、後半6分にも個でPAへ入り込んだ大塚がPKを獲得。これを自ら右足で決めると、大塚が左サイドで相手を弾き飛ばすかのような突破を見せ、井浦が無回転FKを蹴りこむなど、ポゼッションを貫く相手を突き放しにかかる。そして21分にもゴール前でインターセプトした大塚が決めて4-0。初戦で7ゴールをたたき出している野津田に快勝して4強入りを決めた。

 駒大高にとって本当の勝負はここからだ。全国大会初出場で16強入りした3年前に比べると、大野監督は「力的には3年前の方が安定していた。Jユースにも勝つくらいでしたから」とまだ今年の実力が追いついていないことを明かす。ただ「昨日から試験なんですよ。明日もあるんですけど、(控え選手たちが)試験期間中も応援練習をしてくれていた。それがこのメンバーに伝わっていたのかなと思います」と加えたように、仲間たちの後押しも力にチームはまとまり、結果を残してきている。準決勝の相手は3年前、決勝で対戦して1-0で勝っている名門・帝京。難関をチーム全員で突破してまずは頂点に王手をかける。

(取材・文 吉田太郎)
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