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[選手権予選]終了間際の劇的V弾!帝京が三鷹との熱闘制す!:東京B

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[10.20 全国高校選手権東京都Bブロック準々決勝 帝京1-0三鷹 駒沢第2]

 6度の全国高校選手権優勝を誇る名門・帝京が、劇的勝利で全国復帰まであと2勝とした。20日、第92回全国高校サッカー選手権東京都Bブロック予選準々決勝が行われ、三鷹と対戦した帝京は後半アディショナルタイムにMF橋本希望(2年)が決めた決勝ゴールによって1-0で勝利。駒澤大高と対戦する準決勝(11月10日)へ進出した。

 激しい雨、ナイター照明が照らす中で繰り広げられた攻防戦。4年ぶりの全国復帰を狙う名門が“魂”の勝利で4強へ駒を進めた。互いに決定機がほとんどなく、「前後半通してあまりチャンスがなかったので覚悟していましたね」と帝京CB小川一矢主将(3年)も延長戦、PK戦も覚悟していたという試合展開。小川を軸に守る帝京、CB高瀬樹(3年)とMF立迫将一(3年)中心の三鷹ともに堅い守りを見せ、PK戦決着も十分に可能性のある“我慢比べ”のように映った。だが、2分間が表示されたアディショナルタイム、フィナーレを告げる瞬間が突如訪れる。

 41分、帝京は小川の右CKを大外のFW柳下大樹(3年)が打点の高いヘッドで折り返す。すると、右中間でこぼれ球に反応した橋本が右足でゴールヘ押し込む。必死にブロックしようとした三鷹の白いユニフォームの間を抜けたボールはそのままゴールネットへ。左手人差し指を突き上げて走りだした橋本に笑顔の3年生たちが次々と飛びかかる。そして試合再開直後に終了の笛。帝京が劇的過ぎるゴールで雨中の熱戦を制した。

 帝京は前線でスピードある飛び出しとテクニックを見せる柳下やFW竜崎廉(3年)、無回転FKを操るMF阿久津義和(3年)、左サイドから仕掛けてくるMF木村俊輔(3年)がチャンスメークし、後半6分には柳下の落としからMF土井幸大(3年)が決定的な左足シュート。同26分には柳下が右足を振りぬき、続く27分には小川の左CKをCB増田隆市(3年)が頭で合わせるシーンもあった。

 だが、後半はMF小湊駿弥(3年)や立迫がダイレクトでボールを動かし、FW藤田翔生(3年)が飛び出してくる三鷹に主導権を握られた時間帯があった。ゴール前で崩されるシーンはほぼなかったものの、小湊の直接FKがゴールを捉えるなど、帝京にとっては危ないシーンも。だが小川が「後半、押し込まれた時間帯に点を取られなかったのがきょう勝てた要因だった。全員が自分たちのことを上手いと思っていない。献身的にやるしかないと思っている。苦しい試合は多いですけれど、後ろが崩れなければ絶対に負けないと思っていますし、きょうみたいに、ゼロで行けば勝つチャンスはある」と語ったように試合で強さを発揮できるメンバーたちがまずは失点を回避し、それぞれが献身的に自分の役割を果たした。そして最後に1点をもぎ取り勝利。保善との初戦も1-0での勝利と、圧倒的な実力差で勝ち進んでいる訳ではない。それでも我慢強く勝利を目指す帝京が笑顔で雨中の熱戦を終えた。

(取材・文 吉田太郎)
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