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[MOM1283]静岡学園高FW加納澪(2年)_6発勝利で自身は不発も、指揮官賞賛のストライカー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 静岡学園高 6-0 佐賀東高 ギオンス]

 6人で6得点を奪っての完封勝利。静岡学園高(静岡)はどこからでもゴールを奪えることを全国の舞台で証明してみせた。しかし、この日の一戦。静岡学園の川口修監督がマン・オブ・ザ・マッチへ選んだのは得点者ではなく、フル出場ながら不発に終わったFW加納澪(2年)だった。

 その理由について、指揮官は「非常に前で起点となり、タメをつくり、時間をつくってくれたのは彼(加納)。点こそ入っていないですが、今日の試合で一人名前を挙げるとしたら彼ですね」と評価を話した。

 3-5-2システムの2トップの一角を務めた加納。先発フル出場で必死にゴールを目指して仕掛けたが、シュート数は0本に終わった。それでもボールを受けてははたき、味方のチャンスシーンを演出。5-0で迎えた後半35分には1アシストも記録した。左サイドから角度のない位置までドリブルで仕掛けると、MF荒井大(2年)へラストパス。“お膳立て”を受けた荒井が右足シュートを沈めた。

 しかし、試合後の本人はアシストでは物足りないようで浮かない表情。「点を取れないと意味がないので。今日は全然だめでした」と言うと、「良かった部分はひとつもなかったです」と反省しきりだった。

 あす3日に行われる3回戦で静岡学園高は、優勝候補筆頭・東福岡高(福岡)と対戦する。6人が点を取ったこの日の試合。指揮官は「特定の選手が点を取るのではなく、どこからでも点を取るというのが本来の“学園”のスタイル。今日は6人の違う選手が点を取って、学園の良さが出せた」と話した。どこからでも点を取るために、自らは“黒子”に徹し、身体を張っていた加納がいたからこそ、大量得点は生まれたといえるのかもしれない。

 それでも、自らのゴールがなかったことを悔やみ続ける加納は満足することなく、「明日は絶対に得点できるように」と中1日で迎える“大一番”へ向け、強く誓った。

(取材・文 片岡涼)
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