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死闘制したのは上田西!! PK戦の末に市立長野退け、3年連続決勝へ:長野

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同点ゴールを決めた上田西高MF宮澤珠輝(右)とアシストMF北澤拓也

[10.26 選手権長野県予選準決勝 市立長野高1-1(PK1-4)上田西高 サンアル]

 第98回全国高校サッカー選手権長野県予選準決勝が26日に行われ、第2試合で市立長野高上田西高が対戦。試合は前半10分に市立長野が先制するが、後半7分に上田西が追い付くと、1-1のまま突入した延長戦でも決着はつかず。PK戦を4-1で制した上田西が準決勝を突破し、11月2日に行われる決勝で松本国際高と対戦する。

 試合開始早々の前半1分、FW橋本泰知の突破からMF古幡航大(3年)がファーストシュートを放ったように、序盤は市立長野がリズムをつかむ。すると同10分に左サイドからDF田中清晴が送ったグラウンダーのクロスを、ファーサイドのMF山本祐瑞(3年)が押し込んで市立長野が先制に成功。その後もボランチの位置に入るMF赤澤翼(3年)が積極的にボールに絡んで攻撃にリズムをもたらした。

 一方の上田西はFWの位置に入る佐貫翔(3年)のロングスローやMF宮澤珠輝(3年)のプレースキックからゴールに迫ろうとするが、同点には追い付けずに前半が終了。しかし、「1点取られて流れを変えないといけないと思った」(白尾秀人監督)と2枚替えを行い、DF篠原颯(3年)とMF市川尚也(3年)を投入すると、流れを引き寄せる。激しいプレシャーで市立長野から自由を奪い取ると、後半7分にはMF北澤拓也(2年)の鮮やかなヒールパスを受けた宮澤が沈め、試合を振り出しに戻した。

 その後は上田西が勢いを持って押し込む時間帯が続くが、市立長野が体を張った粘り強い守備で勝ち越しゴールを許さず。1-1のまま延長戦に突入すると、ゴールチャンスを創出するが、延長後半3分に市立長野FW内山凪達(3年)が放ったシュートはGK戸板海(2年)に阻まれ、同10分に上田西の市川が迎えた好機はGK和田彬(3年)にストップされるなど、両守護神が2点目を与えなかった試合はPK戦に突入した。

「PKの練習はしていた。選手のPKの調子は良かったし、GKの戸板が止めてくれると信じていた」と白尾監督が語ったように、先行の上田西は4人全員が成功。そして戸板が1本ストップするなど、市立長野は2人が失敗し、上田西がPK戦を4-1で制して3年連続の決勝進出を決めた。

「1点取ってから何度かチャンスがあったけど、なかなか決められなかった。でも、PKでしっかり決めてくれて、勝てて良かった」

 安堵の表情を浮かべた指揮官は、3年連続での決勝進出の要因を「選手、マネジャー、スタッフが一丸となって、全員で徹底してやるべきことをやっているから、こういう結果になっている」と語る。そして、「(決勝で対戦する)松本国際はすごく強いチームだけど、ウチはウチらしく、ひたむきにがガムシャラに戦いたい」と自分たちらしいサッカーで、全国ベスト4に進出した第96回大会以来、2年ぶりの全国行きのチケットをつかみとろうとしている。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2019

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