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ありがとう、高校サッカー…市立長野MF赤澤翼「もうちょっと長く続けば良かった」

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市立長野高MF赤澤翼(3年=7番)

[10.26 選手権長野県予選準決勝 市立長野高1-1(PK1-4)上田西高 サンアル]

 高校サッカーが終わりを迎えた瞬間となった。決勝進出を逃した直後の3位の表彰式。市立長野高のキャプテンを務めるMF赤澤翼(3年)は落胆する仲間に声を掛け、気丈に前を向いていた。

 試合序盤は市立長野がペースをつかんでいた。テンポ良く足下でつなぎ、相手ゴールへと迫っていく。その中心にいたのがボランチの位置に入る赤澤だった。試合展開を読んで細かくポジションを変えてはボールを呼び込み、的確に左右に振ってリズムを作り出す。自身の「良さ」を存分に発揮して攻撃のタクトを振るっていた。

 前半10分にはFW山本祐瑞(3年)の得点で幸先よく先制。しかし、「点を取った後にバタバタしてして相手の勢いに飲まれてしまった」と徐々に上田西に流れを持っていかれると、後半7分には同点に追い付かれてしまう。その後も上田西に押し込まれる場面が増えたものの、「皆で声を掛け合いながら耐えたし、応援のおかげでいつも以上の力を出せた」と粘り強く守った。

 しかし、1-1のまま突入したPK戦を1-4で落とし、市立長野の“旅”は終わりを迎えた。

 準々決勝では前回王者の都市大塩尻高を1-0で下して「勢いに乗った」状態だった。そして準決勝で対戦した上田西は2年前の県予選決勝で敗れた相手であり、「ここで俺らが倒すという気持ちが強かった」とリベンジを果たすべく、この日を迎えていた。だが、あと一歩届かなかった。

「PKなので…。本当に悔しくて…」

 高校生活最後の公式戦を終え、3年間を「苦しかったけど、その苦しさを乗り越えることで、楽しい思い出がたくさんできた」と振り返りつつ、「でも、もうちょっと長く続けば良かった」と寂し気な表情を浮かべた。しかし、ここで立ち止まるわけではない。今後は大学に進学してサッカーを続ける予定だという。「この悔しさは、これから先につなげていきたい」と新たな道に向かって一歩ずつ歩みを進めていく。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2019

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