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初の選手権の舞台まで、あと一つ…2アシストの名経大高蔵MF岩松虎徹「高蔵らしいサッカーで勝つ」

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明経大高蔵高MF岩松虎徹(3年)

[11.7 選手権愛知県予選準決勝 名経大高蔵高2-1中部大春日丘高 パロ瑞穂]

 ピッチ上での存在感は格別だった。左腕にキャプテンマークを巻いた明経大高蔵高MF岩松虎徹(3年)は、持ち場となる中盤の底から攻撃のリズムを生み出し、初の決勝進出を果たしたチームを力強くけん引した。

 ボランチの位置でボールを受ける。周囲を確認できているからこそ、ボールを持ったときに余裕があった。相手選手がプレッシャーをかけにくれば、鋭い反転でいなす。二の矢が飛んでくれば、再び反転。相手をはがすことに成功すればドリブルで運び、味方に鋭いパスを送って好機を生み出そうとした。

 前半18分には「深津(佑太)くんからボールが来て、トラップが完璧に決まった」とドリブルで前線まで運ぶと、「味方の声が聞こえたので、見えていなかったけど、信じて出した」とFW亀山柊人(3年)の先制点をお膳立て。さらに1-1と追い付かれて迎えた後半28分には、「僕がドリブルで行くのを相手が待っていたので、行く振りをしてアウトサイドで出した」とFW原侑大(3年)の決勝点を冷静にアシストした。

 2アシストと結果を残し、攻守両面で魅せたが、本人は「今日は全然ダメだった。自分らしくなかった」と納得しなかった。

 本領を発揮する舞台は、まだ残されている。1週間後、全国行きのチケットを賭けて、東海学園高との決勝戦が行われる。「小さい頃から出たいと思っていた選手権の舞台」まで、あと一つ。「ここまでアシストばかりなので、自分も決めたい気持ちがある。高蔵らしいサッカーで勝って、全国行きを決めたい」と力強く語った。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2020

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