beacon

勝利への執着心や取り組みの成果表現した北陸、「準決勝で2敗」の福井商に同じ場所で1-0リベンジ:福井

このエントリーをはてなブックマークに追加

北陸高が1-0で勝利。4年ぶりとなる福井決勝進出

[10.31 選手権福井県予選準決勝 北陸高 1-0 福井商高 テクノポート福井]

 第100回全国高校サッカー選手権福井県予選の準決勝が31日に行われ、北陸高福井商高が対戦。MF清水慧吾(3年)の得点を守り切った北陸が1-0で勝利した。

 北陸のシュートが4本に対し、福井商のシュートは8本。少ないチャンスをしっかり物にした形で、全体を通して見れば苦しい時間の方が長かった。それでも、「笑顔を忘れるな」と指示を飛ばした主将の清水を中心に、北陸の選手は最後まで前向きに、粘り強く守備を続けた。彼らの姿が観客の胸を打ったのは確か。普段はあまり選手を褒めない松本吉英監督も、ハーフタイムに「少しだけ今日は感動した」と選手に伝えるほどのプレーで、2年ぶりとなる決勝行きを手にした。

 トーナメントで対戦した際の福井商とは相性が良くなかった。昨年11月に行われた新人戦の準決勝では1-3で敗戦。全国行きがかかった6月のインターハイ予選の準決勝では0-4で大敗していた。「同じ場所で同じ機会を皆の力で掴んだので、絶対に勝とうと思っていた」と振り返るのは清水で、序盤から気合十分で試合に挑んだ。

 相手のキーマンであるFW中津悠哉(3年)に対しては、守備力が高い清水とMF中川慧斗(3年)のダブルボランチでしっかり対応。ゴール前に持ち込まれても、「相手の2トップはボールを持ったら、どんどん仕掛けてくると思うので、自分たちが粘り強くやらせないよう意識していた」というDF城地勇輔(3年)ら最終ラインが自由を与えず、仕事をさせない。与えた決定機は前半27分に中津の左クロスから、FW谷柊呂(2年)にヘディングシュートを打たれた場面くらいだった。

 粘り強い守備を続ける北陸にチャンスが訪れたのは、36分。DF師井魁聖(3年)のオーバーラップから左CKを獲得すると、ゴール前に上がったクロスのこぼれ球を拾ったFW梅崎陽翔(2年)が倒され、PKを得た。

 このチャンスを「絶対に決められる自信があった」と話す清水がきっちり決めて、1-0で前半を終えた。後半の立ち上がりには2度目のチャンス。4分には自陣右でクリアボールを拾ったMF川添千裕(3年)がドリブルで相手ゴール前まで持ち込んで、シュートを放ったが、得点には至らなかった。

 以降は、同点を狙った福井商の勢いに飲み込まれた。19分には、北陸のクリアが怪我からピッチに戻ったばかりの谷の下に渡った。そのままドリブルで前進した谷から、ゴール前のFW大谷太紀(3年)に入り、フリーでシュートを打たれたが、GK川辺悠人(3年)が足でセーブ。40分にはゴール前のこぼれ球を大谷に狙われたが、ゴールカバーに入ったFW吉田侑平(3年)がスライディングで枠から掻き出した。終盤には複数の選手が足をつるほどの死闘となったが、最後まで集中力と勝利への執着心を絶やさなかった北陸が1-0で逃げ切った。

 地元開催のインターハイ出場を逃してからは、選手権出場を目指し、守備の基本の再徹底とセットプレーでの攻防に力を入れてきた。そうした取り組みが結実。選手たちの自信に繋がるのは間違いない。決勝でもこの日のような粘り強い戦いが出来れば、3連覇中の丸岡を止められる可能性も十分にあるはずだ。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校選手権2021
▶高校サッカー選手権 地区大会決勝ライブ&アーカイブ配信はこちら

TOP