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[MOM3626]北陸GK川辺悠人(3年)_「絶対、無失点」。再三のビッグセーブと声でゴール守り抜く

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北陸高GK川辺悠人が大活躍。無失点勝利をもたらした

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.31 選手権福井県予選準決勝 北陸高 1-0 福井商高 テクノポート福井]

 4年ぶりの決勝進出がかかった一戦は、彼の存在が無ければ違った結果になっていたかもしれない。再三のビッグセーブで北陸高に無失点勝利を引き寄せたのが、GK川辺悠人(3年=アルタス若狭小浜FC出身)だった。

 インターハイ予選の準決勝では福井商高に4失点していたため、この試合にかける気持ちは人一倍強かった。「インターハイでの負けをずっと引きずっていたのでリベンジの意味でも、今日は絶対、無失点で行こうとっていうのはチームで話していた。『後ろ任せろ、前は頼む』と皆に言っていた。最初から無失点という気持ちで挑めたから、頑張れたと思います」

 枠内シュートを打たれる機会が少なかった前半に意識したのは、持ち味であるコーチングの部分。福井商のキーマンであるFW中津悠哉(3年)とFW谷柊呂(3年)を封じるため、的確に指示を飛ばしてDFラインをまとめた。シュートを打たれても、ステップワークを意識して、自分の良い状態で防げる準備をしていたという。

 見せ場が増えたのは、後半に入ってから。12分には、中津のサイドチェンジを受けたMF大谷太紀(3年)にドリブルからゴールを狙われたが、川辺が弾いてCKに。このCKから谷に打たれたヘディングシュートもきっちりと跳ね返した。

 19分には絶体絶命のピンチが。クリアボールを谷に拾われ、ゴール前にパスを入れられた。DFが完全に釣られ、受けた大谷はフリーだったが、川辺は上手く間合いを詰めて、足で防いだ。試合終了間際に打たれたMF伊藤慎也(2年)のシュートも、川辺が懸命に手を伸ばして、阻止。北陸の勝利は彼の活躍抜きではあり得なかった。

 この日の活躍ぶりはまさに守護神という表現が良く似合う。「がむしゃらにゴール守る、どんな形でもゴールに入れさせないという所が好きな部分で、かっこいいなって思った」とメキシコ代表のGKオチョアに憧れたことがきっかけで、小学4年生の頃からGKとしてプレー。高校に入ってからはチームメイトであり、良きライバルでもあるGK藤井昂生(3年)と切磋琢磨しながら、キーパーとしての力を蓄えていった。そして、何より変化したのはメンタルの部分。以前はミスするとしょげ込んでいたが、今は堂々とした佇まいでゴール前に立ちはだかっている。

 丸岡高との決勝戦は、より厳しい戦いが予想される。「僕は1回も全国という舞台をまだ経験したことがない。この3年間の集大成として全国に出たいという気持ちがあります」と話す川辺なら、またどんなピンチでも、チームを救ってくれるはずだ。

(取材・文 森田将義)
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