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思い込めたヘッドはクロスバーと左ポスト叩き、外へ…FW金子弘輝は4戦連発ならず、細田学園初の4強も来年以降に:埼玉

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後半35分、細田学園高FW金子弘輝主将のダイビングヘッドはクロスバーを叩き、さらに左ポストに弾かれてゴール外へ

[10.31 選手権埼玉県予選準々決勝 細田学園高 0-1 武南高]

「気持ちで飛び込んで、完璧だったんですけれども……。最後、武南を神が味方したか分からないですけれども、俺の気持ちは通じなかったかなと。悔しかったです」

 初の4強入りを懸けた細田学園高は後半35分、この日最大のチャンスを迎えた。MF小林京介(3年)のサイドチェンジから左SB五十嵐隆成(3年)がスピードを上げながらのファーストタッチでDFを置き去りに。そして、上げられたクロスが3試合連続2得点中のFW金子弘輝主将(3年=朝霞第四中出身)の元へ届いた。

「気持ちで」飛び込んだ金子のヘディングシュート。だが、決まったかと思われた一撃は、クロスバーを叩くと、左ポストにも弾かれる形で金子の下へ戻ってきた。金子が頭でそらし、後方のMFジャハンプールラミーン(3年)が振り向きざまの右足ボレーで狙う。だが、この一撃もクロスバーを直撃。直後にCKでプレーが止まると、細田学園の選手数人が頭を抱えていた。

 3年連続となる準々決勝。細田学園は、ポゼッションと前線でともにキープ力を発揮する金子、FW滝澤夏惟(2年)へのロングボールを織り交ぜた攻撃。小川やMF安藤涼太(3年)が技術力の高さを示したほか、DF陣を中心としたゴール前での堅い守りで伝統校・武南高と渡り合った。

 だが、相手の攻撃を凌いで得たチャンスを活かせず、逆に後半40分の失点で0-1。金子は「気持ちの部分は俺たちが勝っていたと思うんですけれども、最後細かな部分が(武南は)伝統あるチームなので備わっていたのかなと」と残念がった。前回大会も同じく伝統校の西武台高にPK戦の末、敗退。だが、新鋭が全国経験を持つライバルたちとの差を少しずつ埋めてきていることも確かだ。

 全国中学校大会出場歴を持つCB吉岡陸斗(3年)が、「自分、中学校の時からドリブルとか好きなので。細田はパス回しとか有名なので」と細田学園に進学した理由について説明していたが、ボールを大事にしながら戦うスタイルに憧れて力のある選手たちが入学。今年、人工芝グラウンドも完成し、環境も整ってきている新鋭は、この日課題となった部分をまた改善し、特長を磨いて、来年こそ歴史を変える。



(取材・文 吉田太郎)
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