beacon

「自分たちの時間は一度くらいの苦しい戦い」…守り抜いた三重、西武台に完封勝利で選手権初白星!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

三重高(三重)が嬉しい選手権初勝利(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.29 全国高校選手権1回戦 西武台高 0-1 三重高 NACK]

 第100回全国高校サッカー選手権1回戦が行われ、NACK5スタジアムの第1試合では11年ぶり4回目の出場となる西武台高(埼玉)と4年ぶり2回目の出場となる三重高(三重)が対戦。前半9分に生まれた先制点を守り抜いた三重が1-0の完封勝利を収め、選手権初白星を獲得した。

 立ち上がりから西武台がボールを保持する時間帯が続き、MF和田力也(2年)が放り込むロングスローから好機を生み出そうとする。しかし、前半9分に試合を動かしたのは守勢に回っていた三重。カウンターを発動させ、左サイドを突破したMF北岡勇輝(3年)のクロスをDF大地山開(3年)がヘディングで叩き込み、スコアを1-0とした。

 しかし、三重の徳地俊彦監督が「80分間押され続けて、たった一度くらいしか自分たちの時間がなかったんじゃないかというくらい苦しい戦いだった」と振り返ったように、その後は同点に追い付こうとする西武台に押し込まれる時間帯が続く。

 前半14分にMF丸山実紀(3年)、同15分に再び丸山、同18分に和田、同30分にFW市川遥人(3年)と西武台が次々とシュートを放つ。だが、前線にFW吉良元希(3年)を残し、時にはフィールドプレーヤー9人が自陣PA内に入って粘り強く対応する三重守備陣を攻略し切れない。たとえ、シュートが枠を捉えてもGK田端亮雅(3年)に阻まれるなど、西武台に得点が生まれないまま前半終了のホイッスルが吹かれた。

 後半に入っても流れは大きく変わらず、攻める西武台、守る三重の構図が続く。しかし、西武台の守屋保監督が「相手が攻めてくる時間が多ければ、ディフェンスの背後を突くこともできた。押し込む時間帯が長かったのが、逆に我々を苦しめたと思う」と振り返ったように、ゴール前のスペースは限られ、なかなか決定機を創出できなかった。

 守備に回る時間が長くなった三重だが、DF藤本航太朗(3年)とDF黒田響平(3年)の2CBを中心とした守備陣の集中力は途切れず。最後まで1点を守り抜き、1-0の完封勝利を収めて選手権初勝利を飾ることになった。

 埼玉県を制した西武台を警戒していた指揮官は「自分たちが思うようにやれなくなったとき、大量失点もあるかと思っていた」という。だからこそ、無失点に抑えた選手たちに対し、「頑張って耐えてくれた」と労いの言葉をかけた。次戦は前橋育英(群馬)との対戦が待っている。「相手チームの良さも踏まえ、自分たちが何をやらないといけないか見えてきたと思う。そこをしっかり出せるように良い準備をしたい」と選手権2勝目に向けて準備を進める。

(取材・文 折戸岳彦)

●【特設】高校選手権2021
▶高校サッカー選手権 全試合ライブ&ダイジェスト配信はこちら

TOP