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[MOM4036]明桜MF小野亮輔(3年)_左右両足から「絶品」のキック。勝利とゴールへ導く司令塔

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前半35分、明桜高の10番MF小野亮輔が左足のミドルパスで4点目をアシスト

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.19 選手権秋田県予選準決勝 明桜高 10-0 秋田南高 ソユスタ]

 得点数はまだまだ物足りない。だが、その意識が高まっていることも確かだ。後半には浮き球を胸トラップし、そこから強引にDFを剥がして弾丸ショット。明桜高の10番MF小野亮輔(3年=ブラウブリッツ秋田U-15出身)は無得点に終わったものの、国見高や神戸U-18で指導してきた原美彦監督が「絶品。両足蹴れるし」と認めるキック、余裕のあるボールコントロールで対戦相手を圧倒していた。

 小野は「自分がいつもよりもボールを持てたので、自分がボール持てれば回ると思う。あとは周りの動き出しを見て自分が出すだけなので」。ショートパスはもちろん、左右両足からゴールに繋がるようなミドルパスを通すことができる。

 この日は、前半38分に自陣中央から左足のピンポイントパスをFW藤山成弥(3年)の頭に通してアシスト。「左でも蹴れることで相手も予測しづらいと思う」。4-0の後半13分に交代するまで高精度のプレースキックや相手最終ライン背後への好パス、DFを剥がす動きなど存在感のある動きを続けていた。

 正確なキックは見て、練習を重ねて身につけたものだ。川崎Fが好きで、MF大島僚太らのキックやターンを研究。「感覚なんですけれども、上手い選手の蹴り方を見て真似しています。足の振りとか持ち方とか体勢を見て、あとは自分でやってみると精度は上がると思います。空間に落とすボールでアシストできたりもしている。成長していると思う」。プロの選手たちのプレーに寄せながら自分のモノにし、それをピッチで表現している。

 10-0で秋田県予選準決勝を突破した明桜は、選手権出場を懸けた決勝で名門・秋田商高と対戦。「決勝でも絶対に自分がボールを持ってチャンスを作らないといけない。自分が出せれば絶対に得点に繋がると思うので、精度を高めること。両足から出せるパスでチャンスを作りたいと思っています」。高校卒業後は地元・秋田を離れて関東の大学で勝負する予定。中学時代のチームメートで、現在秋田商の10番を背負うMF光田楽生(3年)もその技術力を警戒する小野が、自分のパスとゴールで明桜を全国へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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