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インハイは「悔しい」得点王。帝京FW齊藤慈斗は「命懸けて」選手権に臨み、ゴールを重ねる

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インターハイ得点王の帝京高FW齊藤慈斗

[10.23 選手権東京都Aブロック準々決勝 帝京高 3-0 多摩大目黒高 清瀬内山A]
 
 インターハイの4得点には満足していない。他の2選手と並ぶ形で得点王。だが、帝京高FW齊藤慈斗(3年=バディージュニアユース出身)は、「正直言うと納得していないですね。もっと点獲れたなと思って、普通に決めるところ決めていれば8点くらい獲れたと思うんですよ。それが決められなくて悔しいし、(得点王も)単独じゃないですから」。決勝は怪我によって交代出場だったが、6試合で4得点という「誰でも獲れそうな」数字が本当に悔しかった。

 齊藤は最終的に大学進学を決断したが、Jクラブからのオファーも届いたほどの強力ストライカー。上体、足腰も非常に強く、ボールタッチの質も高い。浮き球のトラップは絶品だ。自分よりも大柄なDFを相手にもボールを収め、前へ向いて力強い動きでゴールへ向かう。攻守両面でハードワークする力、高い得点力も備えた逸材だ。

 この日も前半に個でサイドを突破して決定的なラストパス。後半にはDF2人の厳しいチェックにもボールを失わず、2人まとめて振り切ってチャンスの起点となった。そして26分には、クリアボールで抜け出し、並走したDFと非常に激しい競り合い。腕を引っ張られて体勢を崩しながらも、あわやのシュートを打ち切った。

 この際に右肩を負傷し、32分の先制直後に交代。それでも、日比威監督は「マークが厳しい中で身体を張って押川(優希)に打たせたり、伊藤(聡太)に打たせたり、他のやつらのためにポストプレーに徹して、前に運ぶとかも良かった」とそのプレーを称賛していた。

「今日は結構自分的に収められていたし、前向けていたし、周りも上手く使えていたかなと思います」と齊藤。貢献度の高いプレーをしたが、無得点に終わっただけに「大事なところで決めたい。次からが大事」と準決勝、決勝で決め切ることを誓っていた。

 一時期ゴールから遠ざかった時期があり、ともに高校世代を代表するストライカーのFW内野航太郎(横浜FMユース、プレミアリーグEAST得点ランキング1位)や、FW内藤大和(甲府U-18、トップチーム昇格)に「どうすれば良いんだ」に相談。「2人はバケモン。(彼らから)『できるだけ中にいろ』と。それで最近は点が獲れています」。以前はチャンスメークに力を注ぎ込みすぎるところがあったが、中央にいることを意識。インターハイ後のプリンスリーグ関東1部で4試合連続ゴールを記録するなど結果に繋げている。

 選手権でも、得点王に輝く可能性を十分に秘める。まずは帝京にとって13年ぶりとなる選手権予選突破に集中。「選手権大事なので、そこに命懸けていきたいと思っています」。自分のゴールで必ず全国切符を必ず掴み、選手権で今度は納得の行くまで得点を重ねる。

(取材・文 吉田太郎)
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