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[MOM4047]盛岡商FW高橋頼央(3年)_予選5点中4点がヘッド!「願うよりも身体を動かして」逆転劇の主役に

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後半30分、盛岡商高FW高橋頼央(3年=MIRUMAE FC出身)がヘディングシュートで決勝点

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[10.28 選手権岩手県予選準決勝 盛岡市立高 1-2 盛岡商高 いわスタB]

 身長は174cmと特別な高さある訳では無い。昨年までヘディングが得意という訳でも無かったという。だが、今年に入って自信を持てるようになった背番号14のヘディングは、名門・盛岡商高の絶対的な武器。FW高橋頼央(3年=MIRUMAE FC出身)がその強みを発揮し、チームを決勝へ導いた。

 盛岡商は0-1の後半飲水タイム明けからパワープレーへ移行。シャドー気味にプレーしていた高橋を最前線へ上げ、ターゲットへのロングボールを繰り返した。すると、27分、高橋が相手DFに激しく倒されながらも、身体を張ってボールを繋ぐ。

 高橋が倒れ込む中、ボールは右サイドからゴール前へ。これをMF工藤春(3年)が決めて1-1となった。高橋は「自分、小学1年から中3までMIRUMAEでやっていて、(フットボールディレクターの)工藤浩三郎さんから、『キツい時間帯は繋いでなんか点は獲れないから、絶対にオマエが競り合いで勝ってチームにアシストするしかない』と。ずっと言われてきたことがきょう出せたかなと思います」。恩師たちから叩き込まれていた姿勢。前半から泥臭く身体を張り、跳躍を続けた高橋のハードワークが、キツい時間帯での1点に結びついた。

 高橋は得意のヘッドで決勝点も奪う。後半30分、MF佐々木央汰(3年)が敵陣中央から左前方へFK。ゴールへの角度があまり無いように映ったが、「キッカーの央汰君を信じて飛び込むしか無かったです。気持ちっす。コースは見てなかったです。とにかく当てることしか。上行ったらダメなので、しっかりと顎を引いて気持ちで押し込む感じでした」というヘディングシュートをニアのゴールネットへ沈めた。

 立ち上がりの失点から60分間以上リードされる展開だった。それでも、終盤に見事な逆転劇。その主役となった高橋は、「途中諦めそうになったんですけれども、サッカーってこういうのがあるから楽しい」とサッカーの魅力、楽しさを改めて実感していた。

 今大会は5得点中4得点が頭でのゴール。「高3の夏くらいからヘディングシュートがどんどん入るようになってきて、自分の頭に自信がついた。きっかけはプリンス(リーグ)の前期のモンテディオ(山形ユース)戦で、自分よりもデカい相手の上からヘディング決めたことで自信がついて、そこからですね」。インターハイ予選準決勝でも同点ゴールを決めるなど結果を残してきた高橋をチームは信頼。その期待に応えた。

 現役時代、仙台などで活躍した盛岡商・中田洋介監督は高橋について「圧倒的にヘディングが武器で、プリンスリーグも含めてヘディングでの得点は凄くあったので、パワープレーになったら彼を上げて。ウチのひとつの武器なので、相手は絶対に嫌ですし、得点が獲れて良かった。点を獲ったところもそうですし、ヘディングでそらしてくれる。献身的にやってくれる」と評価。この試合のマン・オブ・ザ・マッチに推した。

 高橋は「願っていても現実にはならないことが多いんですけれども、願うよりも先に身体を動かしてやるしかなかったです」。ひたむきに身体を動かし続けて勝ち取った白星とゴール。高橋は花巻東高との決勝でもチームのためにまず身体を動かし、戦うだけだ。「(花巻東は)中学から知っている人ばかり。新人戦、高総体優勝して3冠狙いに来ているけれど、絶対に食い止めて、チャレンジャーの気持ちで紫の相手に戦っていきたい」。今まで取り組んできたことに自信を持って全てをぶつけ、得意のヘッドで再びゴールを決め、白星を勝ち取る。


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(取材・文 吉田太郎)

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