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48年ぶり出場に大きな一歩!! “引き出し”の多さが実を結ぶ…報徳学園が三田学園を撃破

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報徳学園高が48年ぶりの選手権出場に王手

[11.3 選手権兵庫県予選準決勝 三田学園高 0-1 報徳学園高 神戸ユニバー記念競技場]

 3日、第101回全国高校サッカー選手権兵庫県予選準決勝が行われ、報徳学園高三田学園高に1-0で勝利。報徳学園は実に48年ぶり3度目となる選手権へ王手となった。

 選手・スタッフ全員で作ってきた引き出しの多さが実を結ぶ勝利だった。今季から参入したプリンスリーグ関西1部で「本当にいろいろな強豪に鍛えていただいた」(高田秀一監督)ことで、勝利から遠ざかる難しい時期もあったものの、そうした厳しい経験もチームの財産になった。MF瀧田隼人主将(3年)も「あの経験は本当に大きかった」と振り返る蓄積が、白熱の激戦となったこの準決勝でも生きることとなった。

 試合序盤は一進一退。「お互いに硬さがあった」と高田監督が振り返ったように、思わぬミスも出かねない流れだったが、「序盤はセーフティーにいこうとみんなで決めていた」と瀧田主将が振り返ったように、あえてシンプルなプレーを選択することでリスクを回避しながら試合を運び、プロ注目の大型FW坂元一渚璃(3年)を起点に相手ゴールに迫る。

 対する三田学園もセットプレーから好機を作り、19分にはCKのこぼれ球をMF西田昇英(3年)が狙うなどチャンスを作り出す。36分には年代別日本代表の経験もある注目の1年生DF黒瀬直弥のクロスからFW阪倉寛人(3年)が狙うも枠外、さらにアディショナルタイムにもFW宮内泉太朗(3年)のFKがバーを叩き、次々にチャンスを掴む流れとなったが、ゴールを割るには至らず。そのまま前半終了となった。

「三田学園さんのビルドアップを想定しながら、自分たちが今季ずっと作ってきた引き出しの中のどれを当てはめるかということがポイントだった」(高田監督)

 後半は相手の出方に応じたプレーを増やし、「蹴ってきたら蹴ってきたで、繋いできたら繋いできたで、どう対応するのかということをできた」と瀧田主将が胸を張った通り、内容を改善。「狙い通りだった」(高田監督)という流れを後半の序盤から作り出した。

 こうなると絶対的なストライカーがいる強みも生きてくる。「この流れなら、彼が決めてくれるんだろうなと思っていた」と指揮官が全幅の信頼を置くエースが結果を出したのは後半6分のこと。MF中嶌大和(1年)からのパスを受けた瀧田が「きっと動き出してくれていると思った」と裏へのボールを通すと、そのイメージ通りの動き出しを見せていたMF福井想真(3年)が受けて中央へ折り返し。GKが触ったこぼれ球に対し、抜け目なく構えていた坂元が押し込み、待望の先制点が生まれた。

 その後は三田学園が猛烈な反撃を見せるが、報徳学園はセカンドボールの対応で隙を作らず、粘り強く応戦。「プリンスリーグに行く前は『やられないだろう』という守備だったのが、今は『やらせない』守備になっている」と高田監督が語ったとおり、DF牧雄大(3年)、山崎純平(3年)ら後方の選手たちがそれぞれのミッションをコンプリート。1-0のスコアで逃げ切ってみせた。

 これで報徳学園は6日の決勝へ。実に48年ぶりとなる選手権出場へ向け、大きな一歩を踏み出した。

(取材・文 川端暁彦)
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