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龍谷を決勝に導いた選手権予選初出場FW、卒業後はビーチサッカーに転向「決勝でもゴールを」

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FW久保田健生(3年)が延長前半に決勝点を蹴り込んだ

[11.6 選手権佐賀県予選準決勝 龍谷3-1(延長)佐賀学園 鹿島市陸上競技場]

 2年ぶりの決勝に導いたのは、この試合が3年間を通じても選手権予選初出場となっていた3年生FWだった。龍谷高は延長前半6分、後半40分に投入されていたFW久保田健生(3年)が、FW乗冨璃弥哉(3年)が頭で落としたボールに反応。相手を外して右足で決勝点を蹴り込んだ。

「一年生のころからベンチには入ることはあったけど、選手権には1回も出ていませんでした。今回が3年間を通じても初めての出場で、気合が入っていました。自分の特長を出せと言われて入ったので、背後に走ることをやっていた。得点シーンについては、気持ちで押し込みました」

 卒業後は意外なところで“サッカー”を続ける道を見つけている。「ビーチサッカーのチームに憧れの人がいて、聞いてみたら『1回来てみて』と言われました。そこで面白そうだな、オーバーヘッドとか身体能力を生かしたプレーが得意なので、自分は向いてそうだなと思ったんです」。

 憧れの人は一歳年上で、小学校の時に同じチームでプレーしていたという植野麗(うえの・うらら)さん。現在、ビーチサッカー女子のドルソーレ行橋ヴィーナスに所属。高校時代までは強豪の神村学園高でサッカーをしていた選手だった。

 そして入団の決めてという点では、チームの社長と面談する中で、将来的なビジョンに共感したことも大きかったようだ。「ビーチサッカーはまだプロリーグがまだない。ビーチサッカーだけをしていても普及には繋がらないし、地域の人と一緒にやって、将来的にはプロリーグにしたいという話を聞かせてもらって、やろうと思いました」。来年からは整骨院で働きながら、ドルソーレ行橋の男子チームの選手としてプレーしていくという。

 サッカーに未練を残すつもりもない。今のところ、芝生の上でやるサッカーは高校選手権が最後となる。仲間と全国大会に出て、最高の思い出を作るつもりだ。「自分たちの良さを出しながら、相手を圧倒して、勝つという気持ちを前面に出して勝ちたいと思います。決勝でもゴールを取りたいです」。最初で最後の選手権。ピッチでの一歩一歩を噛みしめながら、力の限りを出し尽くす。
 
(取材・文 児玉幸洋)
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