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[MOM4103]國學院久我山MF高橋作和(3年)_大舞台で輝いた“嗅覚”。ゴールも奪えるインサイドハーフが2戦連続決勝弾!

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國學院久我山高を攻守で支えるインサイドハーフ、MF高橋作和

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[11.12 高校選手権東京都予選Aブロック決勝 國學院久我山高 3-1 実践学園高 駒沢陸上競技場]

 スペースは見えていた。ここは一番自分たちの持ち味を発揮できるゾーンだ。ゴールまでの道筋を描きながら、縦にパスを打ちこみ、そのまま前へと飛び込んでいく。目の前に現れたボール。もう躊躇はなかった。

「ああいうゴール前でのところは久我山が一番得意としている部分ですし、常に落ち着いてプレーできるように日々練習しているので、それが上手くできたかなと思いますし、意外と落ち着いてシュートを流し込めました」。

 準決勝に続いての決勝ゴール。國學院久我山高(東京)の頼れるインサイドハーフ。MF高橋作和(3年=三菱養和調布ジュニアユース出身)の“嗅覚”が、この大舞台でも最高の形で輝いた。

 選手権予選準決勝。インターハイで全国準優勝を経験している帝京高との一戦は、お互いに点を獲り合う好ゲームだったが、2-2で迎えた後半に國學院久我山が奪った3点目は、4本のパスが繋がるまさにゴラッソ。それを仕上げたのが「チームとして綺麗に崩せましたし、自分たちのやりたいサッカーというか、久我山らしさが一番出たゴールだったと思います」とその一撃を振り返った高橋だった。

 まさに値千金の決勝点。「この大会が始まる少し前のリーグ戦から点が獲れるようになってきていて、そういうゴールのイメージは湧いてきていたんです」。大事な試合が続くこのシーズン終盤に、良いイメージは膨らんできていたという。

 実践学園と対峙した決勝。「味方をうまく生かしつつ、自分も生きるプレーをしながら、攻守において存在感を出せる選手というのが、自分が目指しているところ」と言い切る高橋は、前半から攻守でボールへ積極的に関与。先制こそしたものの、ファインゴールで追い付かれる展開の中で、虎視眈々とその時を待ち続ける。

 後半23分。右サイドに開いたFW八瀬尾太郎(3年)からボールを引き出すと、視界がパッと開ける。左から流れてきたMF保土原海翔(2年)へくさびを打ち込み、そのまま止まらず前へとダッシュ。嗅ぎ分けた自分のスペース。ボールが足元へこぼれてくる。

「もうあまり覚えていないんです」。右足を振り抜くと、ボールはグラウンダーで左スミのゴールネットへ飛び込んでいく。“久我山のインサイドハーフ”の面目躍如。結果的にこの得点が決勝点となり、チームは3-1で勝利。開花しつつある髙橋の“得点感覚”がチームを全国出場へと力強く導いた。



「全体的にウチの子は真面目な子が多いですけど、その典型的な、ウチっぽい子でしょう。何かに特化しているというよりも、中盤で汗もかけるし、ボールの繋ぎにも入れるし、監督の戦術的な要求に対しても応えられるインテリジェンスを持っています」と高橋を評するのは、チームを率いる李済華監督。本人は自身に課せられている役割をこう分析している。

「もちろん攻撃と守備の両方を求められるポジションなので、攻撃ではゴールを獲ることと、ゴールに直接絡むプレーを意識していますし、守備でも攻撃的なチームなのでカウンターを受けることもありますけど、そういう中でもセカンドボールを拾ったり、相手からボールを奪うところは求められていると思いますし、攻守に貢献できる選手を意識しています」。つまりは何でもできる選手が理想像。少しでもそれに近付くために、日頃のトレーニングにも余念がない。

 昨年はその攻撃力を認められ、右ウイングを務める試合も多かったが、そもそものオリジナルポジションは中盤。とはいえ、どちらのポジションであっても、高橋にとって自分のやるべきことは何も変わらない。「本職は中盤なんですけど、『久我山にいる限りは、与えられたポジションでプレーしろ』とはずっと言われていて、自分も今もやれと言われればどこでもできますし、どのポジションをやることにも抵抗はないので、与えられたポジションで自分のベストを尽くすことは意識しています」。チームメイトにとっても、これほど頼もしい存在はなかなかいないだろう。

 最後の最後で辿り着いた晴れ舞台。みんなで掲げる目標は、もう決まっている。「ずっと全国優勝を目標にやってきているので、自分たちのこのスタイルと、やりたいサッカーをピッチ内で表現できるように、ビビらず、自信を持って、やりたいことをやりたいですね。そうすれば結果も付いてくるはずですし、全国大会では僕たちより格上のチームも多いと思いますけど、自分はサッカーは内容よりも結果がすべてだと考えているので、結果を出した上で、もちろん内容も伴ったプレーができるように頑張りたいです」。

 ゴールに目覚め始めたインサイドハーフ。高橋が前へと飛び込んできたら、きっと何かが起きることを、全国の猛者たちも覚悟する必要がありそうだ。



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(取材・文 土屋雅史)

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