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山梨学院FW野田駿人は“練習の成果”で同点演出…背番号10を背負い、兄が見た全国制覇の景色を目指す

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FW野田駿人(3年/10番)

[11.12 選手権山梨県予選決勝 山梨学院2-1(延長)帝京三 JITス]

 兄も着た10番を背負い、2年ぶりの全国制覇を目指す。山梨学院高FW野田駿人(3年)は左サイドから持ち味のドリブルを発揮。前半終了間際には同点ゴールの起点となった。

 前半早々の失点から追いかける展開となった。内心は「ずっとひやひやしていた」という野田だが、左サイドから持ち味の突破力を発揮する。前半終了間際には練習の成果が出た。右サイドからFW五十嵐真翔(2年)がドリブルで突破してクロス。「練習でも五十嵐が上げてくれたけど自分が触れなかった。だからきょうはそこを意識した」。全力疾走でスライディングボレー。相手GKに阻まれたが、こぼれ球をFW小棚木蒼大(3年)が仕留めて1-1と追いついた。

 コンディション面を考慮され、後半24分に途中交代。「交代してからもずっとひやひや」と仲間を見守る。「自分が決めたかった。決められなくて悔しかった」。延長戦に入ると、延長後半3分にMF臼田康太郎(3年)が逆転ゴール。仲間の活躍に目を細めながらも、自身のふがいなさに悔しさをにじませた。

 兄の武瑠(東京ユナイテッドFC/関東社会人1部)は2年前の選手権決勝の舞台に立った。1-2からの同点ゴールで全国制覇に貢献。その2年後、野田も兄と同じ10番を着用し、本大会の切符を掴んだ。「比較されたりもするし、プレッシャーも少しはある。だけど、気にしないようにしている。自分なりのプレーがしたい」。

 全国での目標は「絶対勝ちたいというのが一番大きい」。足下の技術に秀でた野田の武器はドリブルからのシュートだ。「決めることに集中したい。全国は優勝が目標。このチームのメンバーで最後までサッカーがしたい。自分も貢献して勝ちたいのが一番強いです」。兄が見た最高の景色を、今度は自分の目で見渡すつもりだ。

(取材・文 石川祐介)
●【特設】高校選手権2022

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