[1.2 選手権3回戦 青森山田 1-1(PK4-2)国見 等々力]

　キャプテンの声がけがチームに落ち着きをもたらした。先制しながら後半27分に追いつかれて突入したPK戦。青森山田高(青森)は後半アディショナルに投入されたGK鈴木将永(2年)がPKを2本ストップすると、キッカー4人が全員成功し、PK4-2で競り勝った。

　2年前の選手権決勝で山梨学院にPK戦で敗れていた青森山田だが、当時の試合をベンチで経験したDF多久島良紀主将(3年)が「そのときの経験を伝えた」とチームメイトを鼓舞。「冷静に蹴ることとチームを信じることが勝利につながる。最近はPK戦で負けた試合がなかったし、自信はあった。最後は味方を信じようと声をかけた」と、プレッシャーのかかる場面でも選手全員が落ち着いていた。

　青森山田はこれで5大会連続のベスト8。4日の準々決勝ではFW福田師王(3年、ボルシアMG内定)、MF大迫塁(3年、C大阪内定)らを擁する神村学園(鹿児島)と対戦する。福田とマッチアップすることになる多久島は「個人的にも楽しみ。一回はやってみたかった」と対戦を切望した。

「フィジカルが強いし、個人で打開できる選手というのは見ていても分かる。そういう選手に対して、自分がどれだけできるか。絶対に負けたくない」。そう闘志を燃やしたキャプテンは、国立競技場で行われる準決勝を念頭に「勝って絶対に国立に行きたい」と力強く誓った。

(取材・文　西山紘平)

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