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痛恨ロストも逆転劇に救われた神村学園MF笠置潤「涙が出そうなくらいホッとした」

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神村学園高MF笠置潤(3年)

[1.4 選手権準々決勝 青森山田 1-2 神村学園 等々力]

 もし0-1のまま終わっていたら、悔やんでも悔やみ切れない失点だった。

 神村学園高は前半34分、中盤でのビルドアップを青森山田高FW小湊絆(3年)にかっさらわれ、MF中山竜之介(3年)のゴールで先制点を献上した。そこでボールロストしたのが中盤の要を担うMF笠置潤(3年=姶良市立重富中)。「正直やってしまったなと……」。全国準々決勝という大舞台でのミスには、さすがの背番号15も動揺は大きかったという。

 しかし、そこで心の支えになったのは、体調不良で不在だった指揮官への思いだった。「試合前日から『キツい時は有村(圭一郎)先生と国立で戦うことを思い出そう』と決めていたので、その言葉で立ち直れた」。準決勝から帰ってくる予定の有村監督へのチームの思いを再確認し、気を取り直した。

 何よりオープンな展開を好む青森山田に対し、ボランチがパスを受けるのを怖がるのは自滅行為だ。「お互いのチームのプレースタイルが真逆というか、狙いが違う中、自分たちが相手のロングボールに合わせてしまうと戦えないし、相手のほうが強い。ゆっくりつなぐほうが勝ちにつながる。受けることを意識した」。笠置は動揺を表に出さず、その後も中盤のつなぎ役を務め続けた。

 その結果、チームは今大会で手応えを積み重ねてきた「後半勝負」の展開に持ち込み、後半16分からの5分間で一気に逆転。16年ぶりのベスト4進出を果たした。笠置は試合後、心底ホッとした様子で感謝の言葉を口にした。

「ありがとうの気持ちしかない。同点ゴールを決めた時も、逆転ゴールを決めた時も涙が出そうなくらいホッとした。直接点に絡めればいいけど、そういう役割がメインではないので、本当にお願い!って気持ちで戦っていた。助かりました」。FW西丸道人(2年)とFW福田師王(3年/ボルシアMG内定)の2ゴールは、これまで中盤を担ってきた笠置の心も救っていたようだ。

 それでも笠置は自身のパフォーマンスについて「全然ダメ。まだまだ」と厳しく述べた。「前半の時間、早めにカードをもらってしまってがっつり強く行けなかった。攻撃でも失点してからボールを受けることをビビってしまったし、もっと強気に受けて、守っていけるように賢く戦っていかないといけない」。反省点ばかりが口をついて出た。

 この悔しさは7日の準決勝、9日の決勝で晴らしていくつもりだ。

「すごくいろんな人に支えられて、メンバーに入っていない人が応援してくれたり、メンバーに入っている人も洗濯をしてくれている。自分たちはテレビの前で試合ができて目立っているけど、目立たないことをしてくれる人たちがいる」。笠置の胸には仲間たちへの感謝の思い。「そういう人たちのために楽しんで勝つことが自分たちの役割。次もしっかり勝ちたい」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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