beacon

1年生で選手権を体感、2年生は主力として国立競技場へ…大津の186cm“大器”CB碇明日麻は成長の最終学年へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

大津高のU-17日本代表DF碇明日麻(2年)

[1.7 選手権準決勝 東山 1-1(PK4-2)大津 国立]

 高校2年目は国立競技場のピッチを踏んだ。大津高のU-17日本代表DF碇明日麻(2年)はCBでフル出場。しかし、PK戦で惜しくも決勝進出を逃した。1年時からポジションを前線から中盤に下げ、今年度からは最終ラインに立ちはだかった186cmは「ゼロで終われなかった悔しさがある」と肩を落とした。

 昨年、碇は高校1年生ながら途中出場で選手権デビュー。決勝での出場はなかったが、たしかな経験を積んだ。今年度は主力として躍動。決勝進出は逃したが、悔しさの中にも成長を見出す。「今年の選手権はスタメンで出ることができた。こういう大舞台で、観客がたくさん入る中でのプレーができたことは、来年のプレミアリーグでもつながってくる」。残り一年に目を向けた。

 CBとして守備に奔走しながらも、要所で果敢に攻め上がる場面もあった。精度の高いキックや巧みな技術も兼ね備える。1年時はインターハイでFW登録されており、U-17日本高校選抜やU-17日本代表ではボランチで選出された。大津の2年目はチームメイトの負傷もあり、CBにコンバートされた。

 2年目の選手権を終え、課題を守備面にフォーカスする。1-0で迎えた後半18分、相手のCKはファーサイドに流れ、そのボールを仕留められた。碇は横切る弾道を見送るしかなかった。「こぼれ球の反応が少し遅れて、寄せ切れずに打たれてしまった。セットプレーではやられないチームだったけど、最後の最後でやられて負けにつながった。とても悔しい」。90分間で完封できれば掴めた勝利に、悔しさをにじませた。

 一方で、CBで一年をやり切ったことは手応えだ。「去年と違ったポジションで、一年間すごく成長することができた。CBになってから出足の早さなどが磨かれた。セットプレーの点もこだわるようになってきた。そういったところは、個人として成長できた」。

 大津で残された時間はあと一年ある。今年度は日大藤沢高のFW森重陽介(3年/清水内定)がFWとCBの“二刀流”で躍動。それに倣う可能性もあるだろう。だが、本人はどのポジションだろうと、守備の意識を強く持っているようだ。

「守備の能力、個人でボールを取る能力はまだまだ上げていかないと。守備の能力を伸ばして、来年はどこのポジションでもチームに貢献できたらいいと思います」。一年後は国立の舞台で笑って終わるために。さらなる守備力向上を目指す覚悟だ。

(取材・文 石川祐介)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2022

TOP