beacon

[選手権]夏全国2位・桐光学園の日本一への戦いは神奈川準決勝で終幕。水戸内定MF齋藤俊輔「オレがもっと違いを出していたら…」

このエントリーをはてなブックマークに追加

インターハイ準優勝・桐光学園高の挑戦は神奈川県予選準決勝で終幕

[11.4 選手権神奈川県予選準決勝 桐光学園高 1-1(PK3-4)桐蔭学園高 等々力]

 日本一の夢は神奈川県予選準決勝で潰えた。インターハイ準優勝校の桐光学園高が1-1からのPK戦の末、桐蔭学園高に敗戦。敗退が決まると、この日抜群の存在感を見せていたU-18日本代表MF松田悠世(3年)はピッチに突っ伏して涙を流した。

 水戸内定のMF齋藤俊輔(3年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)は目を赤く染めたまま取材エリアへ。「このために3年間やってきたので悔しいしかないです。苦しい試合でしたけれど、もっとオレが違いを出していたら勝てた」と唇を噛んだ。

 前半11分、DFラインからのロングボールをチャージされる形で失点。だが、MF小西碧波(3年)中心に切り替え速く、強度の高い守備でボールを奪い返すなど自分たちのペースで試合を進めた。

 そして、松田が再三ドリブルで会場を沸かせ、インターハイ得点王のFW宮下拓弥(3年)やFW丸茂晴翔(2年)が相手DFラインの背後を強襲。焦れずに攻め続けると、後半開始直後に松田の突破から宮下が決めて同点に追いついた。

 強固なDFラインを中心に鉄壁の守備を継続。だが、2点目のチャンスを作りながら、粘り強く守る桐蔭学園高の前に決め切ることができない。相手に警戒された齋藤は普段に比べるとボールに触れる回数が減少。高速ドリブルやスルーパス、そして最大の魅力であるシュートへ持ち込むことができない。延長前半に相手の背後を突く形で右足シュート。だが、これもわずかに右へ外れ、無得点に終わった。

 PK戦でGK渡辺勇樹主将(3年)が相手2人目のシュートをストップ。だが、2人が外し、インターハイ決勝と同じPK戦での敗戦で選手権予選が終わった。齋藤は「簡単な試合はないと思っていたので、でもその中で自分たちがやることを変えずにやってきて、でも何かが足りなかったので、難しかったです。(今年は)攻撃力あるチームだったんですけれども、それを活かしきれないと今日みたいな試合になる」。そして、自身の改善点について、口にしていた。

「改善すべき点はいっぱいあったので、プロへ行く前にやれることを増やして通用できるように頑張っていきたい。まず、要求して自分を使ってもらって、そこからのアイディアだったり、一人で行くんじゃなくて周りを使ったり……プロになって自分が活躍してちゃんと見返したいです」。チームはリーグ戦3試合を残しており、プリンスリーグ関東1部昇格へ集中。齋藤はプロで活躍するために少しでも成長して高校サッカーを終える。

延長前半、MF齋藤俊輔の右足シュートはサイドネット

(取材・文 吉田太郎)


●第102回全国高校サッカー選手権特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

TOP