beacon

[MOM4529]明秀日立FW石橋鞘(3年)_不調が続いた中でまず自分のプレーを意識。力強く攻撃を牽引し、豪快ヘッド弾も

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半15分、明秀日立高FW石橋鞘(3年=SCHフットボ-ルクラブ出身)がヘディングシュートを決めて2-0

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.12 選手権茨城県予選決勝 明秀日立高 4-0 霞ヶ浦高 カシマ]

 とにかく自分のプレーをすることを心がけ、結果を残した。明秀日立高はFW石橋鞘(3年=SCHフットボ-ルクラブ出身)が序盤からボールに多く係わり、ボールキープやDFを引き付けてのパス、そしてシュートでチームを牽引。1-0の後半15分にはMF益子峻輔(3年)の柔らかい右クロスをDF頭上からのヘッドで決めた。

「本当に嬉しかったです。クロスというのは練習していたし、峻輔から良いボールが上がってきたので。(DF上から打ち込んだが、感覚的には)結構相手とフィフティ・フィフティくらいだったかと。気持ちで押し込んだ感じでした」。チームにとっても大きな2点目。本人も認めた通り、試合の流れを大きく左右するゴールとなった。

 2年時から先発を務め、昨年は抜群の動きで関東高校大会初優勝に貢献。今夏のインターハイでは静岡学園高戦で先制ゴールを決めてチームを勢いづけた。そして、日本一軍団の一員に。だが、夏以降は状態が芳しく無かったのだという。

「最近調子があまり上がっていなくて、それはスタッフも分かっていて、(監督の)萬場先生からも『調子悪いのは、それはそれだから、思い切ってやれ』と言われていたので、とにかく自分のプレーをしようと思ってやりました」

 明秀日立はゲーム主将のCB山本凌(3年)が8月の怪我で長期離脱。石橋はその間、キャプテンマークを巻いてプレーしていた。責任感の強いFWはプレーが空回りしてしまったところがあったようだ。それでも、初心に帰って、力を抜いてプレーすることを意識。その結果、この日は持ち味である推進力やしなやかな身のこなしとボールタッチなど特長が出た。

 萬場努監督も高く評価した決勝戦のパフォーマンス。石橋は「この試合をきっかけにまた調子を上げていきたいと思っています」。どれだけ安定したプレーを続けられるかを本人は求めている。

 優勝したインターハイも静岡学園戦など活躍できた試合もあったが、もっとできる印象だ。レベルが上がるにつれて相手の守りも強固に。それを破るために3人目の動きや周囲との連係の向上も意識してきた。加えて、「良いパフォーマンスで戦い抜くためにフィジカルとかもっとやっていきたい」。選手権での目標は力を上手く抜きながら自分のプレーを表現し、チームに得点をもたらすことだ。

「夢の舞台なので、まずは楽しむことを前提に。あとは勝負にこだわって、今日みたいに自分のプレーができたら良いと思っています。とにかく点に絡むプレーをしてチームを勝たせられるようにしたい。とにかく1試合1試合自分で目標を立てて、少しずつで良いので色々なものを積み上げて、1試合1試合成長したなと思えるような大会にしていきたい」。明秀日立の目標は全国2冠。強力アタッカーが大会を通じて成長を示し、結果を残す。



(取材・文 吉田太郎)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

TOP