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静岡学園は夏の初戦敗退を糧に一戦必勝。川崎F内定FW神田奏真は個の成長と日本一を誓う

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川崎F内定FW神田奏真(後方中央)は選手権で個の成長と日本一を誓った

 一戦一戦、目の前の試合に集中し、勝ち上がる。静岡王者の静岡学園高は、第102回全国高校サッカー選手権初戦で明徳義塾高(高知)と対戦することが決定。U-18日本代表スペイン遠征中のGK中村圭佑主将(3年)に代わってオンライン抽選会に参加したFW神田奏真(3年)は、「(明徳義塾は対戦経験がないチームだが、)高知県予選を突破しているというのもあるので、油断せずに一戦一戦やっていきたいと思っています」と力を込めた。

 夏の経験を糧にする。静岡学園は優勝候補の一角に挙げられていたインターハイで初戦敗退。神田のゴールで一時同点としたものの、明秀日立高(茨城)に突き放されて1-2で敗れた。中村が「先を見すぎて、その一戦にみんなが懸けられていなかった」と語っていたように、互いに勝ち上がれば3回戦で対戦する可能性のあった青森山田高戦などに目を向けてしまい、1回戦で苦杯。その悔しさは忘れていない。

 今回の選手権も、互いに勝ち上がれば3回戦でV候補・青森山田と当たる組み合わせ。加えて、同ブロックには昌平高(埼玉)、米子北高(鳥取)、大津高(熊本)と他にもプレミアリーグ勢の名が並ぶ。だが、まずは目の前の戦いに集中。その上でライバルたちを全て倒す意気込みだ。

 明徳義塾は高知決勝で0-2から逆転勝ちしているチーム。FW吉田凱主将(3年)は、「(静岡学園は)全国常連高校で攻守にバランスも良いので、胸を借りるつもりでしっかりと準備をしていきたい。自分たちらしく粘り強い守備から攻撃に繋げていきたい」と意気込む。過去の選手権では連覇を目指した市立船橋高(千葉)を2回戦敗退に追い込んだ経験も。静岡学園は引き締めて初戦突破に挑戦する。

 静岡学園は夏以降、神田らけが人が続出。主力を欠く中でもプレミアリーグWESTの優勝争いに食らいつき、選手権予選で静岡制覇を果たした。“死のブロック”に入った今回も、また難しい戦いになることは確か。だが、神田は「厳しい戦いになると思いますが、そこで勝ってこそ日本一になれると思うので、まずは一戦一戦目の前の試合に集中していきたいと思っています」と宣言。静岡予選を欠場したエースストライカーは、全国大会での得点王と日本一を目指して戦う。

 静岡学園の現3年生は神田が川崎F、中村が東京V、10番MF高田優(3年)が徳島へそれぞれ24年シーズン新加入内定。Jクラブ内定トリオだけでなく、“心臓”のMF森崎澄晴(3年)や強力ドリブラーのMF田嶋旦陽(3年)、そしてBチームから這い上がってきたFW庄大空(3年)、MF宮嵜隆之介(3年)ら新たに台頭してきた才能たちも注目だ。神田は「プレッシャーもあると思うんですけれども、個人が成長しながら、選手権で日本一を取れるように頑張っていきたい」。目の前の一戦一戦に集中し、勝って成長すること。それを決勝まで繰り返し、3度目の優勝を勝ち取る。


●第102回全国高校サッカー選手権特集
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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