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プリンス関西2部MVP。神戸弘陵の10番MF北藤朔は課題を改善し、全国でより輝く

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神戸弘陵高(兵庫)の10番MF北藤朔(3年=セレッソ大阪 和歌山Uー15出身)はプリンスリーグ関西2部MVPに

[12.2 高円宮杯プリンスリーグ関西2部第18節 桃山学院高 2-3 神戸弘陵高 J-GREEN堺]

 神戸弘陵高(兵庫)の10番MF北藤朔(3年=セレッソ大阪 和歌山Uー15出身)はプリンスリーグ関西2部MVPを受賞。この日も左サイドからのドリブルで違いを生み出し、正確なCKで追撃ゴールをアシストした。

 チームはラストの部分の精度を欠く部分もあったが、攻め続けて後半終了間際の2得点で逆転勝ち。「やっぱり自分たちがずっとボールを持っていたので、相手も足が止まってきて、そこで自分たちのサイド攻撃やったり、サイドを使ってからの内を使い分けたりできていて、それが相手は余計嫌やったんやないかと思います」。この勝利で首位・京都共栄高を逆転し、優勝を果たした。

 10番が全国大会で見せたいところはやはり、ドリブル。「自分としてはドリブルですね。1対1やったら負けない自信があるので、そこで自分のドリブルを見せられたらなと思います」。警戒されていても簡単には止まらない。個の力で相手のDF網を攻略し、シュート、ラストパスへ持ち込んでしまう。

 ただし、接戦になると、熱くなり、強引に仕掛けすぎてしまうところがあるという。谷純一監督は「(周囲の選手を活用するなど)上手く変化させられれば、もう一つ相手を苦しめられる」と要求。本人も「全国までにまだ何試合かあるので意識していきたい」と改善することを誓っていた。

 また、インターハイでは青森山田高からゴールを決めているものの、決定力も課題の一つ。この日は鋭いドリブルでDFを置き去りにしながら、シュートをポストに当ててしまうシーンがあった。全国大会でも活躍できる力は十分にあるだけに、その1本で決め切ること。自分の特長を活かしながら、ラストの部分にもこだわっていく。

 インターハイの青森山田戦で学んだことがある。「自分たち、個人の力ではやっぱり負けていないと思ったんですけれども、切り替えとか個人の負けないという気持ちだったりが、長年選手権とか出ているチームと比べたらまだ低いと思いました」。その点も意識して準備してきた。取り組んできたことを選手権で発揮し、初戦で対戦する仙台育英高(宮城)など全国常連校も上回っていくだけだ。

 北藤やFW馬場悠平(3年)を中心とした神戸弘陵の多彩な攻撃は強力。北藤は「自分たち、前の選手全員個性があるので、個人のところやコンビネーションで崩していって、あと自分たちの課題は決め切るところだと思うので、全国では決め切っていけたら良い。自分たちが仙台育英や前橋育英に勝って、そこで勢いに乗れたらホンマに優勝もなくはないと思う」。兵庫3冠、プリンスリーグ関西2部も制したチームの目標は全国制覇。たとえ苦しい展開になっても、北藤がゴールに係わり、白星を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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