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「今度は決めて助けてあげる番」。神村学園のため、仙台での来季のため、FW西丸道人主将は今度こそ決勝で決めて勝つ

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神村学園高FW西丸道人主将(3年=神村学園中出身、仙台内定)は献身的な動きで勝利に貢献した

[12.15 選手権鹿児島県予選準決勝 神村学園高 3-1 出水中央高 白波スタ]

「もう何回も決勝の舞台に連れてきてもらっていながら、決めてないので、やっぱり『今度は決めて助けてあげる番』だなという風に強く感じている。やっぱり決めて、後輩たちだったり、今日も応援してくれたみんなを喜ばせれるようなゴール決めたいなという風に思ってます」

 今度こそ、決勝で決める。1年時のインターハイ予選から県大会決勝の舞台に立ち続けている神村学園高FW西丸道人主将(3年=神村学園中出身、仙台内定)だが、決勝でのゴールは1年時の新人戦のみで夏冬の全国大会予選決勝では未だにゴールがない。それだけに、今度こそ自分が決めて、全国大会へ導くことを誓った。

 西丸にとって、選手権は特別な大会だ。2年生ストライカーとして臨んだ昨年度の選手権は、山梨学院高との初戦で決勝点を決め、青森山田高との準々決勝では鮮烈な同点ゴール。決勝点も演出した。大会後、日本高校選抜候補に選出され、U-17日本高校選抜ではキャプテンマークを巻いた。

「ほんとにプロに行けたのも去年の選手権だと思ってるので、そういう意味では、自分の(使命である)国立ってことだけじゃなくて、後輩たちにもそういう経験させてやらないといけないと思ってるので、何としてでも、必ず行かないところではあるのかなという風に思います」。西丸にとって、昨年度の選手権準決勝で敗れた「国立へ戻る」ことは「使命」。それを実現するためにもまずは、宿敵・鹿児島城西高のゴールを破る。

 今年の神村学園はU-17日本代表の左SB吉永夢希(3年)とMF名和田我空(2年)がチームを離れることが多かった。その中で責任感の強い西丸は「自分が取らないといけない」となりすぎていた面も。それによって、自身も、チームも上手く行かない時期があった。

 だが、彼らが年代別日本代表での活動を終えて合流。現在は負担の軽減された西丸の献身的にプレーする姿勢がチームに好影響を与えている。この日はスペースへの抜け出しや中盤へ下りて起点になるなど、周囲を活かす動きを増やして3点目にも絡んだ。一方でチーム全体で決定力を欠くシーンが多く、西丸も右クロスに合わせたシュートが枠外に。その点はこだわって決勝を戦う。

 プレミアリーグWEST最終節(12月3日)の広島ユース戦に仙台の森山佳郎新監督が来訪。来季、仙台でプレーする西丸は新指揮官の前でいち早くアピールした。「(U-17日本代表で森山監督とU-17ワールドカップを戦った)我空とか、夢希とか代表で強度というところを求められたって聞いたので、その守備とかゴール前での起点になるプレーだったり若さを活かして走ったりとか、そういうところをやっぱり求められてんじゃないかと思います」。今回の選手権はアピールの機会。前線で運動量を増やし、ゴールを決めて来季に向けて良いスタートも切る意気込みだ。

「(自分にとっては、)この選手権がゴールじゃないので、自分はまた来年スタートを切らないといけないので、やっぱり活躍する上でも、このステージでこう1つ頭抜けてないといけないと思います。(森山)監督やサポーターにもゴールとか結果でしっかりアピールしていかないといけないなと思っています」。そのためにも県予選で負ける訳にはいかない。16日の決勝では力みすぎることなく、献身的に戦い、チームと自身の結果も。神村学園の仲間たちや仙台のサポーターを喜ばせるような活躍をして、優勝する。

(取材・文 吉田太郎)

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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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