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[MOM4566]神村学園DF難波大和(3年)_「自分は脇役」のDFリーダー。「上手く、したたかに」守り、 鹿児島決勝で無失点勝利

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神村学園高のDFラインを統率したCB難波大和(3年=神村学園中出身)は無失点勝利に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.16 選手権鹿児島県予選決勝 神村学園高 1-0 鹿児島城西高 白波スタ]

 決勝点の仙台内定FW西丸道人主将(3年)が、「今日の試合は取れたっていうのがデカいですけど、本当に後ろが空中戦だったりとか、こぼれに対してもすごい集中して、本当にタフに頑張ってくれてたんで、GK含めてそこには感謝しかないです」と語り、有村圭一郎監督もDF陣の奮闘に最大級の評価を与えていた。

 この日、神村学園高は鹿児島城西高を完封。新人戦では相手の圧力に屈してしまっていたが、この秋からコンビを組むCB難波大和(3年=神村学園中出身)とCB鈴木悠仁(2年)を中心に逞しく、また賢く守って封じ込んだ。

 U-16日本代表候補歴を持つ鈴木は184cmの高さや強さを発揮。また、いずれも昨年から主力のU-17日本代表左SB吉永夢希(3年)と右SB有馬康汰(3年)もスピードや高さなど個の力を感じさせるような守備を見せていた。

 一方、彼らをカバーするなどDFラインを統率した難波は、「もう自分は脇役で、後ろで耐えて、前が点取るのを待つだけだったんで、 1試合通してゼロに抑えれたことはとても良かったです」と微笑。そして、「この1年として、やっぱりプレミアの経験が大きかったんで、1年間でやっぱりそこは改善できてきたとこかなと思います」と胸を張った。

 鹿児島城西高は前日の準決勝で決勝点を決めている182cmFW岡留零樹(3年)が攻撃の起点。難波は「11番(岡留)は自分たちに何かさせないっていうのは、とても上手いところなので、それを逆手にとって、前に出るところだったり、悠仁とチャレンジアンドカバーしながら 対策できたかなと思います」と頷く。

 相手は藤枝内定MF芹生海翔(3年)をはじめ、突破力の高い選手が多く、ロングボールも、セットプレーも脅威。だが、難波は「頭を使いながら、上手く、したたかに守れたかなと思います」。もちろん、球際のバトルで負けないことは重要。だが、ムキになってしまうのではなく、セカンドボールなど要所を抑える形でしたたかにプレーし続けたことが無失点勝利を引き寄せた。

 難波は今年からレギュラーを獲得。高精度のキックが先に注目されていたが、プレミアリーグや強力アタッカー揃う神村学園のトレーニングで揉まれながら守備面で大きく進化してきた。

 自分に求めるレベルは高まり、この日のプレーについても、「(守備は)まだストロングとは言えない。もっと要所要所でマイボールにしたり、ロングスローを与えないこと。与えるのは危険なところなので、相手にセットプレーを与えないだったり、そこはもっと完璧にして、 前にボールを渡せるぐらい奪わないといけない」と反省。得点できなかったことを含め、自己評価は10点満点で7点としていた。

 全国大会で借りを返す。06年早生まれのCBは昨年の国体に鹿児島県選抜の主将として出場したが、初戦で北海道選抜の先制点に繋がるPKを与えてしまい、初戦敗退。今年のインターハイも「もう地獄ぐらいのパフォーマンスだった」と首を振る内容で初戦敗退している。

 それだけに、「今年の冬はその借りを返して、高校選抜を狙っていけるぐらいのハイパフォーマンスをしたいなと思ってます」と宣言。そして、「去年、自分はベンチに入らせてもらって、国立で眼の前で負けてベスト4で終わってしまったので、また今年は国立に戻って、 国立で2勝できるようにいい準備をしていきたいと思います」。将来の目標はプロ。日本代表の板倉滉や冨安健洋を参考に守備対応を磨くDFが、神村学園を支えて自身の評価も勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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