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神戸弘陵が4発完封で仙台育英を撃破! 38年ぶり日本一の阪神、J1初優勝のヴィッセル神戸に続く栄冠へ「勢いに乗りたい」

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神戸弘陵高が初戦突破(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.29 選手権1回戦 仙台育英 0-4 神戸弘陵 ニッパツ]

 第102回全国高校サッカー選手権は29日、各地で1回戦を行った。ニッパツ三ツ沢球技場の第2試合では神戸弘陵高(兵庫)が仙台育英高(宮城)に4-0で勝利。31日の2回戦では前橋育英高(群馬)と対戦する。

 3年ぶりに選手権に戻った神戸弘陵は4-3-3の布陣を敷く。GKは歌野裕大(2年)、4バックは左からDF藤本達真(2年)、DF岡未來(3年)、DF柴尾美那(3年)、DF阪上聖恩(2年)。アンカーはMF大井孝輔(3年)で、左インサイドハーフがMF佐波昂大(3年)、右インサイドハーフがMF木津奏芽(2年)。前線3人は左からFW北藤朔(3年)、FW馬場悠平(3年)、FW石橋瀬凪(2年)となった。

 仙台育英は2年ぶり37度目の出場となった。4-4-2の布陣で、GKは小川陽海(1年)、4バックは左からMF菅原颯太(3年)、DF佐山光樹(3年)、DF面田凌(3年)、DF玻名城元希(3年)。2ボランチはMF黒葛原結天(2年)とMF和久井友皓(3年)。左サイドハーフはFW佐藤裕(3年)、右サイドハーフはMF中塚羽勇真(3年)。2トップはFW菊地蓮太(3年)とFW伊藤俊輔(3年)が起用された。

 神戸弘陵は80分を通して試合を支配した。谷純一監督は「子どもたちが今までやってきたことと大舞台を楽しむところで、緊張より楽しむところに重きを置いて話した。そこに反応してくれてミスを恐れず、自分たちの持ち味を出してくれた」と目を細める。前半18分、木津が中盤からボールを運び、佐波との連係から先制ゴールを決める。同24分には柴尾が負傷してDF松井君弥(3年)が出場するアクシデントも。だが、同32分には佐波の縦パスを受けた馬場が冷静に2点目を沈めた。

 仙台育英の城福敬監督は「コンパクトに簡単に崩しに来るのに後手を踏んだ」と肩を落とす。「思い切って前に出ればよかったが、引いて守ろうとしたから余計に押し込まれた。前半で2点差がついたことで余裕がなかったところもある」。仙台育英の守勢に対し、神戸弘陵は後半も冷静に試合を運ぶ。

 後半23分、神戸弘陵は自陣から細かいパスワークで前進。右サイドから佐波が大きくクロスを上げると、ファーサイドの北藤がボールを収める。右足シュートを沈めて3点目。後半アディショナルタイムには北藤が敵陣PA内で倒されてPKを獲得。北藤自身が決め切り、ダメ押しの4点目とした。

 4-0の完封勝利に谷監督も手応えを語る。「最終ラインは岡、柴尾を中心にしっかりとしていた。怪我があって松井が出たが、最終ラインがしっかりしていた。夏に比べると、(中盤の)大井と木津の守備力も向上した。攻撃だけにフォーカスされがちだが、守備と真ん中のラインの選手の成長が大きい」と収穫を挙げていた。

 2023年は神戸が沸いた。阪神タイガースが38年ぶりに日本一に輝き、ヴィッセル神戸もJ1リーグで悲願の初優勝を遂げた。谷監督は「(阪神と神戸は)プロチームで、僕らは高校生の部活なので…(笑)。でも勢いには乗りたい」と謙虚。しかし虎視眈々と神戸に3度目の栄冠をもたらすつもりだ。「(阪神、神戸に続けるのは)兵庫代表が唯一。その勢いと盛り上がりに参加して、サッカーに興味ない人でも兵庫のチームが出ているし、阪神とヴィッセルも勝ったから、弘陵もちょっと見てみようかとなるはず」と県内をさらに盛り上げる意志をのぞかせていた。

(取材・文 石川祐介)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
石川祐介
Text by 石川祐介

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