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[MOM4581]神戸弘陵MF佐波昂大(3年)_「夜は必ずおかわり」入学時から20kg増で攻撃の要へ…選手権で3ゴール演出

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神戸弘陵高MF佐波昂大(3年/左)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.29 選手権1回戦 仙台育英 0-4 神戸弘陵 ニッパツ]

 神戸弘陵高(兵庫)の快勝に大きく貢献した。MF佐波昂大(3年)は3ゴールを演出。「自分もゴールを決めたいけど、次に残しておこうというマインドで。次は必ず決めたい」とさらなる活躍を誓った。

 序盤から積極性を見せた神戸弘陵は前半18分に先制。起点となったのは佐波だ。MF木津奏芽(2年)とのパス交換から佐波がPA手前でシュート。相手のブロックに遭ってこぼれたボールを木津が決め切った。「木津は毎回見てくれている。出して終わりではなくてもう一回来てくれる。3分の3まで入ったら自分たちのアイデアでやれるのでよかった」。自身もゴールを狙っていたが「(木津が)押し込んでくれたので結果的にはよかった」と笑みを見せた。

 前半32分に追加点。中盤でパスを収めた佐波は冷静に前方を確認。斜めの動きで相手守備陣の裏を走る馬場を見逃さず、アウトサイドで巧みなパスを出す。「馬場とは裏の共有をしている。いい動きをしてくれるので、ゴールに直結するようなパスを出せた」。PA左に入り込んだ馬場が確実に2点目を奪った。

 2-0で迎えた後半23分には3点目。佐波が右サイドから大きくクロスを上げると、ファーサイドで待ち構えたFW北藤朔(3年)がしっかりとダメを押した。佐波は2点目、3点目をアシストし、先制点にも絡む活躍。後半32分に途中交代した。

 この3年間で佐波の体格は大幅に変化した。現在は身長173cm、体重は69kg。だが入学時は身長が165cm、体重は50kgだったという。「入りたては体も小さかった。だけど3年生もいるところで出てやろうとしたら全然通用しなくて。自分の学年でも試合に出れなかった」。痛感したフィジカルの弱さ。試合に出るために肉体改造を真剣に行った。

「体の部分をやらないと試合には出られないことをすごく感じた。そこを意識した」(佐波)。徹底的に続けたことは「間食と夜は必ずおかわり」。体重は入学時の50kg前後からマックスで72kgという“20kg増”に成功。全国の舞台でも強靭なフィジカルで勝利に貢献した。

 次戦は優勝経験を持つ前橋育英高(群馬)。だが、神戸弘陵は夏のインターハイで青森山田に負け、その後も東福岡高や米子北高といった強豪との戦いを経験。佐波は「夏にいろんなチームとやった。負けたりもしたけど、自分たちがやってきたことは間違いない」と自信をのぞかせる。コツコツと積み上げた強さを誰より知っている佐波が、次戦でも攻撃をけん引していく。

(取材・文 石川祐介)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
石川祐介
Text by 石川祐介

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