[12.31 選手権2回戦 東海大仰星 1-1(PK5-6)明秀日立 等々力]

　夏の全国高校総体(インターハイ)決勝と同じ7人目に決着が付いた。勝利を呼び込むセーブを見せたのは約5か月前と同じく明秀日立高(茨城)のGK重松陽(2年)だった。

　1-1で突入したPK戦。「楽しんでやろうと思ったし、プレッシャーも楽しみたいと思っていた」という重松はだれよりも冷静だった。後攻・東海大仰星の4人目がクロスバーに当て、決めれば勝ちという状況で5人目を迎えたが、FW根岸隼(3年)のキックは相手GKに止められてしまう。

　それでも「フラットになっただけで、自分が止めればいいと思っていた。(クロスバーではなく)自分が触って止めたかったし、これは来たかなと思った」と集中を切らさなかった。迎えた7人目。相手のキックを重松が見事に横っ飛びで防ぎ、明秀日立の3回戦進出が決まった。

「PK戦はキーパー次第。PKはキーパーが一番チームに貢献できるポジション。それはインターハイでも感じられた」。全国総体決勝の桐光学園戦。お互いに成功が続く中、7人目のキックを止めた重松の“優勝セーブ”で明秀日立が日本一に立った。「PKになったとき一番輝けると思った。チャンスが来たなと思っていた」という強心臓の守護神がまたも勝利の立役者となった。

(取材・文　西山紘平)

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●第102回全国高校サッカー選手権特集