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[MOM4603]神村学園MF名和田我空(2年)_「試合を決めるために80分間置いてる」指揮官の要求に2戦連発となる決勝点で回答

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勝ち越しゴールを挙げた神村学園高MF名和田我空

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権3回戦 神村学園 2-1 神戸弘陵 等々力]

 神村学園高(鹿児島)のベスト8進出をかけた決勝点は、MF名和田我空(2年)の左足から生まれた。

 1-1で迎えた後半31分、右CKの場面で、MF高橋修斗(3年)の左足のクロスは、 GK歌野裕大(2年)のパンチングにあう。しかし、こぼれ球をゴール中央で名和田がダイレクトで狙う。これは、敵DFに跳ね返されてしまうが、このこぼれ球にも神村学園の14番がいち早く反応し、スライディングする神戸弘陵高(兵庫)DFを右足でボールを浮かしてかわす。「かわした時点で結構冷静だった」という名和田が左足を振り抜くと、ゴール前に並ぶGKとDFの間をすり抜けたシュートはゴール右隅に吸い込まれた。

 これで2回戦に続いて2戦連発。それでも自身の出来には満足していない。「左サイドの選手は脅威でした」と、この試合で最もチャンスを創出していた神戸弘陵のFW北藤朔(3年)を引き合いに出すと、「自分以上に違いをつくっていた」と同じ左サイドを主戦場にしていた相手10番を評する。それでも、「常に判断を間違えるなって言われてるんですけど、その判断が悪くてボールを失う場面が目立っていたので、まだまだだと思うんですけど、得点を取るときに取れたっていうのは一つポジティブ」と前向きだ。

 U-17ワールドカップにも出場した世代屈指のタレントだけに、マークが厳しくなるのは有村圭一郎監督にとっても織り込み済みだ。そんな中で決勝点を挙げたエースを、指揮官は高く評価する。

「本人も警戒されていて、あまり良いパフォーマンスを出せてない。見られている方もそういうふうに思われてるかもしれないですけど、ゴール前の質だったり、いることの存在感はやっぱりあるので。ああいう一発試合を決めるために80分間彼を置いてるところもあるので、ちゃんと仕事はしたかなって思います」

 名和田自身も指揮官から「得点を求められていると思う」と理解しているが、「得点以外でもチームに貢献したいという気持ちはあります」と、準々決勝以降ではさらなる違いを見せていくつもりだ。

(取材・文 奥山典幸)

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奥山典幸
Text by 奥山典幸

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